書籍回収のお詫びとお知らせ
今年5月末に出版した花岡敬太郎『ウルトラマンの「正義」とは何か』(以下、本書)に大きな誤りがありました。ご購入いただいた読者のみなさま、切通理作氏と大江健三郎氏に大変なご迷惑をおかけしました。深くお詫びを申し上げます。
誤りがある当該箇所を含めて本書全体の事実関係の再確認と、正誤表(対照表)では対応できない修正の必要があることを踏まえ、本書の販売を停止して回収の措置をとり、在庫をすべて断裁いたします。
(なお、本件を把握して以降、当社からの本書の出荷はすべて停止して、ウェブ書店の販売や取次倉庫の物流も止める手配を進めていました。)
読者のみなさまと関係各位に重ねて深くお詫びするとともに、本書の回収にご協力いただきたくお願い申し上げます。
【お詫びと訂正】
20―21ページ、65ページで、大江健三郎氏の議論としてまとめている記述全般に誤りがありました。具体的には以下です。
花岡敬太郎『ウルトラマンの「正義」とは何か』の誤りがある文章
切通理作氏は、『映画宝島 異人たちのハリウッド』(JICC出版局、1991年)に執筆した原稿「ウルトラマンと在日朝鮮人 単一民族幻想に挑んだふたりの沖縄人作家」、およびその原稿の内容を含めて膨らませた単行本『怪獣使いと少年――ウルトラマンの作家たち 金城哲夫・佐々木守・上原正三・市川森一』(宝島社、1993年)で、大江氏による『ウルトラマン』をめぐる議論を批判的に検証しました。その切通氏の議論を、『ウルトラマンの「正義」とは何か』で著者は誤って大江氏のものとして要約しました。つまり、実際の大江氏の主張と『ウルトラマンの「正義」とは何か』の要約は正反対の内容でした。
したがって、大江氏が「制作関係者以外で、『ウルトラマン=沖縄』の構図を指摘した」初めての人物であるという65ページの指摘も事実に反し、大江氏と佐藤健志氏を照応させた対立構造も正しくは大江氏ではなく切通氏と佐藤氏との対立構造ということになり、この点についても著しく正確さを欠く内容になってしまいました。
また、当該箇所は先行研究を整理する際の事実誤認です。先行研究の整理は、それらの成果を踏まえ、著者の立場を明らかにするうえでも重要な箇所であり、本書の位置づけを明確にするという観点からも大きな誤りでした。
上記に関して、編集部も校正段階で確認を怠りました。
切通氏ご本人からいただいた指摘や読者のみなさまの意見を真摯に受け止め、内容の誤りを認めて、心からお詫びを申し上げます。
青弓社編集部/花岡敬太郎
著者によるお詫びと経緯をまとめた文章を公開しました。
【回収対象の書籍】
出版社:青弓社
書籍:ウルトラマンの「正義」とは何か
著者:花岡敬太郎
定価:2400円+税
ISBN:978-4-7872-3489-6
【ご購入くださった読者のみなさまへ】
本書の代金をご返金します。[1]お名前、[2]住所、[3]郵便番号、[4]電話番号がわかるようにして、お手元の本書を送料着払いで下記住所にお送りください。
162-0801
東京都新宿区山吹町337 江戸川橋東誠ビル5階
青弓社編集部
【書店のみなさまへ】
取次経由でご返品くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。本書を購入した読者からの問い合わせには当社で対応します。お手数をおかけしますが、以下にご一報ください。
青弓社
電話:03-3268-0381
【その他】
本件に関してご不明な点がありましたら、当社までご連絡ください。
青弓社
電話:03-3268-0381
mail@seikyusha.co.jp
読者のみなさま、関係各位に重ねてお詫びを申し上げます。
株式会社青弓社
2021年6月22日