いしい のりえ(著)
四六判 224ページ 並製
定価 1600円+税
ISBN978-4-7872-9235-3 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月 2016年08月 書店発売日 2016年08月22日 登録日 2016年06月27日
女が書いて女が読むエロスの世界、ここにあり! 第1部は、8人の女性作家とゲストの男性作家が小説に込めた性愛の理想や実体験を赤裸々に語るインタビュー集。第2部では、女性が胸に秘める愛情や悦楽、覚悟や葛藤を描き出す話題の官能小説約60作を紹介する。
第1部は、花房観音、うかみ綾乃、南綾子、深志美由紀、岡部えつ、蒼井凜花、鷹澤フブキ、森奈津子ら、官能の世界を描いて読者を魅了している女性作家たちへのインタビュー! 作家が明かす過去の恋愛やセックス、男性観や女性観、作品の世界と自分の生活のギャップなどから、小説の舞台裏の実態を赤裸々に描き出す。 特別付録として、女性読者の絶大な人気を集めている男性作家・草凪優のインタビューも所収。
第2部では、著者オススメの官能小説約60作を紹介。女性が胸に秘める複雑な思いをすくい取るレビューを読めば、官能小説の奥深い魅力にハッとする。悦楽と良心の間で揺れ動く気持ち、妻としての愛情や煩悶、あふれ出る母性、悟ってしまった冷静な視点、子どもの頃の性の記憶――。
めくるめく豊饒な官能の森に、ようこそ!
はじめに
第1部 性を書く女たち――官能表現に思いを込めて
花房観音インタビュー
「穴さえあれば女なんだ」――作家・花房観音が劣等感の末に見いだした真実
うかみ綾乃インタビュー
「男はバカ」と悟った初体験、不倫同棲、父との確執――官能小説家が明かす「セックスを書く私」
南綾子インタビュー
「一生セックスなしでも三日泣くだけ」――官能を描く作家・南綾子、その意外なコンプレックス
深志美由紀インタビュー
「駆け落ち」「熟女パブ」「別居婚」――波瀾万丈の官能作家が語るSMの扉を開いた男
岡部えつインタビュー
「セックスによって男を食い殺す女」――怪談×エロスの作家・岡部えつが語る“女の恨み”
蒼井凜花インタビュー
CA、モデル、クラブママ――女社会のドロドロを見続けた官能作家が語る“女同士”の性
鷹澤フブキインタビュー
「恋愛とSMプレイは別枠」――官能作家・鷹澤フブキが語る、“セックス=最高の娯楽”の意味
森奈津子インタビュー
「オナニーは女性を幸せにすべき!」――SF官能作家が担う、“女のエロを解放する”という使命
[特別付録]
草凪優インタビュー
「女」を記号化しない――官能小説家・草凪優の“匂い立つ”セックスシーンに込められた矜持
第2部 オススメ官能小説レビュー――“女”って、こんなにおもしろい!
第1章 性
美人妻が「セックスしたい」と大暴走――『次々と、性懲りもなく』が描く欲深き女の魅力
菅野温子『次々と、性懲りもなく』
セックスで育てる女は“母”と重なる?――『そして二人は性の奴隷に』に読む、男の悲しさ
草凪優『そして二人は性の奴隷に』
女の劣等感にひるまない男は理想的?――『エスプリは艶色』に見る、女のセックスの本懐
新藤朝陽『エスプリは艶色――書き下ろし長編初体験エロス』
百年たっても愛される情念の歌集、与謝野晶子『みだれ髪』を官能作品として読む
与謝野晶子『みだれ髪』
『淫ら上司』に見る、スポーツクラブが男にも女にも“エロティック空間”なワケ
睦月影郎『淫ら上司――スポーツクラブは汗まみれ』
かつての先生への淡い恋心が“タブー”を生む!――高校教師の愛欲を知る『ももいろ女教師』
葉月奏太『ももいろ女教師――真夜中の抜き打ちレッスン』
アル中女と元ヤクザの恋愛劇――『ヴァイブレータ』に描かれる「認められたい」女の欲望
赤坂真理『ヴァイブレータ』
「セックスは恋愛のうえにある」という頭でっかちな人に一石を投じる“淫道家”小説
沢里裕二『淫府再興』
「お医者さんごっこ」はなぜ楽しかったのか――谷崎潤一郎「少年」に考える“子どもと快楽”
谷崎潤一郎「少年」
『耳の端まで赤くして』から読み解く、女子校=官能的な場所として描かれる理由
館淳一『耳の端まで赤くして』
平凡な女性会社員が体現する“究極のセックス”とは?――『悪い女』に見る“禁断”の作用
草凪優『悪い女』
性器の真上に「M」のタトゥー――SMに没頭する元援交少女に、「純粋」を感じてしまうワケ
サタミシュウ『私はただセックスをしてきただけ』
第2章 女
『ジェリー・フィッシュ』に見たセックスの本質――少女らが首を絞め合う意味
雛倉さりえ『ジェリー・フィッシュ』
「モテない女の妄想炸裂」?――男目線の「女性の官能小説」像に一石を投じる『華恋絵巻』
藍川京/蒼井凜花/うかみ綾乃/櫻乃かなこ/森下くるみ『華恋絵巻――美しすぎる官能作家競艶』
亡父と妻の肉体関係を暴きたい――『砂の上の植物群』の色あせないまっすぐな性愛
吉行淳之介『砂の上の植物群』
男の性奴隷と化したCAたち――『夜間飛行』が問う、女を花開かせるものとは?
蒼井凜花『夜間飛行』
『不倫』というタイトルに込められた、高齢処女の思考回路とは?
姫野カオルコ『不倫』
赤線地帯の女を描く「ある脱出」――娼婦の“性”への葛藤が心をつかんでしまう理由
吉行淳之介「ある脱出」
『堕落男』が考えさせる、「男にとって“過去にセックスした女”とは何者なのか」
草凪優『堕落男』
花房観音が描く、女の血に塗られた祈り――『神さま、お願い』に官能の匂いを感じる理由
花房観音『神さま、お願い』
触れられないことで感じられる官能――片思いの興奮が凝縮された『あなたとワルツを踊りたい』
栗本薫『あなたとワルツを踊りたい』
好きな人がいるのに、なぜほかの男とセックスするのか――どうしようもない女心を描く『言い寄る』
田辺聖子『言い寄る』
田舎の少女が“性の特訓”で変貌――シンデレラストーリーとして読む官能小説『令嬢人形』
蒼井凜花『令嬢人形』
男を引き付けるブスでデブのババア――女の醜い嫉妬や怒りを引きずり出す『黄泉醜女』
花房観音『黄泉醜女』
男に振り回された女は、別の男を振り回す――『夏の裁断』が描く連鎖する男女の快感
島本理生『夏の裁断』
“セックスだけ”の女こそ男を翻弄する?――「黒い瞳の誘惑」に見る官能小説の王道的ヒロイン
渡辺やよい「黒い瞳の誘惑」
アラフォーの元アイドルが“濡れ場”で再起!?――女性賛歌としての官能『甘く薫る桜色のふくらみ』
うかみ綾乃『甘く薫る桜色のふくらみ』
第3章 愛
幸せな家庭を築く男の秘密を知る、快楽と苦しみ――尾行小説『二重生活』
小池真理子『二重生活』
セックス中に“俯瞰”する女たち――「あなたのそばに」から考える女の本能
葉月奏太「あなたのそばに」
男にとってEDは死活問題なのか――渡辺淳一の自伝的小説に感じる“勃たない男”の滑稽さ
渡辺淳一『愛ふたたび』
女の「楽園」とは?――四十歳前後の女が、あらためてセックスに翻弄される理由
花房観音『楽園』
童貞青年と見守る女の霊――青春の歯がゆさあふれる官能小説『ずっと、触ってほしかった』
庵乃音人『ずっと、触ってほしかった』
一億部突破の『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』に見る、選ばれる女からの卒業
E・L・ジェイムズ『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
昔の女を忘れない男は面倒くさい!?――男目線のファンタジー『初恋ふたたび』が女に与える救い
末廣圭『初恋ふたたび』
石田衣良「いれない」が教えてくれる、挿入がないセックスが男女を強く結び付ける理由
石田衣良「いれない」
ツンデレ上司と恋愛に不慣れな部下――韓流官能小説が見せる“おとぎ話”としてのセックス
チョン・ジミン『恋のパフューム』
指一本で表現される静謐ないやらしさ――川端康成の『雪国』を“官能”として読む
川端康成『雪国』
官能小説読みの視点で考える、BL小説の恋愛とセックスで満たされる女の願望
木原音瀬『美しいこと』
姉の手に射精した夜を忘れられない弟――『残り香』に感じる“禁断の熱量”とは?
松崎詩織『残り香』
第4章 妻
部下に妻を寝取られ、自慰にふける中年男の悲哀――『不貞の季節』が最高にエロい理由
団鬼六『不貞の季節』
生活か、セックスか――結婚を控えた女のやるせない渇望を描く『よるのふくらみ』
窪美澄『よるのふくらみ』
女と不倫をする主婦の物語――『深爪』が描く女同士のセックスは純粋なのか
中山可穂『深爪』
「最もわかり合える存在」――夫婦の欺瞞を暴く、男女四人のダブル不倫官能作品『花酔ひ』
村山由佳『花酔ひ』
上司の妻との濃厚なセックスシーンを描く『愛される資格』が“官能小説ではない”理由
樋口毅宏『愛される資格』
カルボナーラを食べながらセックスにふける――「淫食」の性愛描写がいやらしい理由
小玉二三「淫食」
『秘密の告白』に思った、人妻が不倫セックスに言い訳しないワケ
亀山早苗『秘密の告白――恋するオンナの物語』
家庭ある男の自宅でセックスする昼顔妻――『妻たちのお菓子な恋』があぶり出す、女の甘さと性
亀山早苗『妻たちのお菓子な恋――平日午後3時、おやつの時間に手がのびる』
“大人になった元子役”のセックスはなぜいやらしい?――官能小説での“背徳感”の作用
渡辺やよい「奥様は名子役」
第5章 入門篇
「後生ですから」で即緊縛!――SF官能小説「エロチカ79」に見る官能の新境地
森奈津子「エロチカ79」
処女喪失をめぐる“抜け駆け禁止”――「蝶々の纏足」が描く、女子の複雑な人間関係
山田詠美「蝶々の纏足」
“親からの愛情の欠乏”が女を風俗への道に進ませる?――風俗嬢の自叙伝に見る叫び
菜摘ひかる『風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険』
『Red』が描く、不倫愛に陥ったセックスレス妻――彼女に感じる“いとおしさ”の正体とは?
島本理生『Red』
腐りゆくケーキが表す死――性描写がない『寡黙な死骸 みだらな弔い』が官能をくすぐるワケ
小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』
男と女のセックスをめぐる“負の感情”を描く官能小説家が“怪談”を書く理由
岩井志麻子「いなか、の、じけん、じけん、の、いなか」
江戸時代の女が夫の殺人計画を立てるまで――『真昼の心中』に感じた不倫する女の“絶頂”
坂東眞砂子『真昼の心中』
「虫を踏み潰す」女子大生と「それを見る」教授――フェチ行為の切なさを描く『こじれたふたり』
坂井希久子「かげろう稲妻水の月」
渋谷の街なかでの性器露出、女装プレイも――『水を抱く』の過激シーンが切ないワケ
石田衣良『水を抱く』
居場所がない主婦が週に一度だけ寝る男――『うたかたの彼』に見る、真の理想の男像
吉川トリコ「ウェンディ、ウェンズデイ」
巨根は「ユーモアポルノ」!――女流官能小説家の指南書に見る、“女だからこそ”の妙
藍川京『女流官能小説の書き方』
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