中村 誠(著)
四六判 320ページ 上製
定価 3000円+税
ISBN978-4-7872-9225-4 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月 2014年11月 書店発売日 2014年11月26日 登録日 2014年08月21日
文芸誌「アルプ」を創刊して文学ファンに刺激を与えた串田孫一を中心にすえて、登山とそれをベースにした山岳文学の華やかな光と辻まことら文学者たちの熱い息吹を描く。串田の博物誌、様々な詩人の詩作品、辻まことの画文やカリカチュアなどを多角的に扱う。
はじめに
第1部 串田孫一の諸相
第1章 山に登る串田孫一/山を書く串田孫一
1 登山の始まり
2 谷川岳カタズミ岩登攀と鳥甲山登山
3 山を書くこと
4 「山登りの恥かしさ」
第2章 串田孫一の初期詩業と詩誌「歴程」
1 青春期における詩の創作
2 「歴程」の時代
3 串田孫一の詩の特色
4 串田孫一の「一くせ」
第3章 串田孫一と同人誌「アルビレオ」
1 「アルビレオ」の概略とその自然志向
2 「アルビレオ」が持つ素人性(ルビ:アマチュアリズム)
3 「アルビレオ」の若手に見る抒情
4 串田孫一の詩精神と「アルビレオ」
第4章 『博物誌』の世界
1 『博物誌』刊行までの経緯
2 文学としての『博物誌』
3 『博物誌』に現れた自然観
4 〈物象〉と〈形象(ルビ:フォルム)〉へのこだわり
5 『博物誌』成功の要因
第2部 登山と文学
第5章 一九三〇年代の〈山岳文学論争〉をめぐって
1 船田三郎と桑原武夫の「山岳紀行文」批判
2 〈文学志向主義〉と〈山岳優先主義〉
3 新時代の〈山岳文学〉への模索
4 〈山岳文学論争〉の帰結
第6章 串田孫一と山岳雑誌「まいんべるく」
1 同人誌「まいんべるく」の概略
2 「熊の番人」(第四号)の誌面から
3 「風の伯爵夫人」(第六号)の誌面から
4 「登山」の外周
5 「まいんべるく」の若い同人たち
第7章 昭和三十年代の「アルプ」が果たしたもの
1 昭和三十年代初めの登山界の状況
2 「ケルン」の創刊
3 「アルプ」の創刊
4 「アルプ」の特色
5 「アルプ」が目指したものとその限界
第3部 「アルプ」の詩人たち
第8章 孤独の詩人 尾崎喜八
1 人道主義詩人から自然詩人へ
2 再生への道……富士見時代
3 「アルプ」の時代
第9章 鳥見迅彦の〈山の詩〉
1 詩集『けものみち』と詩誌「歴程」
2 詩集『なだれみち』と「アルプ」
3 〈山の詩〉の変化
第10章 辻まことの〈風刺的画文〉
1 辻まことの始原とその立脚点
2 カルトゥーニストとしての辻まこと
3 集大成としての『虫類図譜』
第11章 辻まことの〈山の画文〉
1 辻まことと山との関わり──三つの時代
2 「歴程」への参加──〈表現者〉辻まことの誕生
3 「アルプ」への参加──山を書く/山を描く
4 「山の男」への畏敬
5 昭和三、四十年代という時代のなかの「アルプ」
終章 「アルプ」以後とこれから
串田孫一が関わった雑誌年表
初出一覧
あとがき
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