谷口 基(著)
四六判 408ページ 並製
定価 3000円+税
ISBN978-4-7872-9211-7 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月 2013年01月 書店発売日 2013年01月20日 登録日 2012年12月17日
「朝日新聞」
評者:保阪正康(ノンフィクション作家) |
怪奇・幻想・エロ・猟奇・SF的要素などの作品の奇想、風太郎自身の敗戦の記憶や死生観・ニヒリズム、敗戦から高度成長へという時代状況の3つの視点から『忍法帖』などの作品を読み、「戦中派・風太郎」をジャンルを超えた「戦後変格派」として復権させる。
はじめに――「変格」とは何か?
第1章 戦後変格派・山田風太郎の教養――奇想の源泉
1 書物への耽溺と探偵文壇デビュー
2 戦後変格派の出発点――「雪女」の構造
3 「黄色い下宿人」――誰も考えつかなかった対決図
4 『文学論』的探偵小説批判――「How」より「Why」を
5 「伊賀の散歩者」――乱歩を書く、その「懐かしさ」を甦らせるために
第2章 滅失の神話――〈風太郎敗戦小説〉考
1 〈神〉とともに生きた日々――戦争と青春
2 神の喪失と「人間の憤怒」――何が「陸奥」を沈めたのか
3 〈聖母〉の誕生と〈神〉への殺意――愛されなくても、愛する
第3章 『太陽黒点』論――最後の〈敗戦小説〉
1 突然変異と暴走する若者たち
2 歴史から截断された青春
3 神話の終焉、殺意の胚胎
第4章 「風太郎忍法帖」という歴史
1 「風太郎忍法帖」の特殊性――二重の歴史性
2 『魔界転生』――歴史の蹂躙
3 忍者と戦争、忍法と敗戦
4 「あれは、何であったのか?」――「地球的大忍法」の正体
第5章 戦後変格派の医学的・科学的奇想――性的科学小説からタイムトラベルまで
1 風太郎性的科学小説論
2 医学的猟奇小説論――生と死の境をめがけて――「人間華」の凄絶
3 堕胎医探偵・荊木歓喜
4 反科学・反近代の闘争劇――春画は軍国を滅ぼし、忍法は軍艦を沈める
5 風太郎最後のSF(?)――文化系タイムマシーン、二百五十年の時空を翔ぶ
第6章 風太郎文学とキリスト教
1 生むなかれ、繁殖(ルビ:ふゆ)るなかれ――「ウサスラーマの錠」と産児制限
2 神をもおそれぬパロディ――「ウサスラーマの錠」から「満員島」へ
3 聖と性――〈聖なる淫売婦〉の物語
第7章 風太郎の「近代的怪談」――最後の戦場
1 「厠」がつなぐ物語構造
2 宣戦布告のある戦い
3 忍者対忍者、弱者の戦略
4 塗戸漢学、最後の戦場
第8章 風太郎文学における闇の論理――愛の亡霊・悖徳の聖者たち
1 幽霊は時代に抗う――『幻燈辻馬車』
2 宗教的奇蹟か、「ゆうれい」か――『明治十手架』
3 「闇」のキリスト、監獄のイエス――『地の果ての獄』
あとがき――山田風太郎は生きている
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