ナイトメア叢書 7
A5判 224ページ 並製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-9195-0 C0395
在庫あり
奥付の初版発行年月 2010年08月 書店発売日 2010年08月21日 登録日 2010年08月17日
岩井志麻子のインタビューを筆頭に、宮沢賢治や山田風太郎の文学作品から諸星大二郎のマンガ、『キノの旅』『うみねこのなく頃に』などのラノベまでを射程に収めて、光と闇の二項対立に収まらないファンタジーの漆黒を凝視し、闇の物語の現在をあぶり出す。
「闇」への想像力をかきたてるために――「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝
はじめに 一柳廣孝
第1章 光と闇の狭間で――岩井志麻子インタビュー 聞き手:一柳廣孝/吉田司雄
1 ファンタジーの対極にせり上がるオカヤマ
2 「私の岡山」「私の明治」
3 境界を壊すというモチーフ
4 新しい毒婦を描く
5 「私がダークファンタジーかも」
第2章 光と闇の物語
闇はすぐそこにある――諸星大二郎をめぐって 表 智之
1 オカルト・ブームと『妖怪ハンター』
2 名指しえぬ不定形のモノたち
3 『暗黒神話』と類比のスペクタクル
4 神話語りと人々の紐帯
5 融解する光と闇
継承と解放、そして残された課題――一九八〇年代以降児童文学の長篇ファンタジーに見る「闇」 佐藤宗子
1 「現代児童文学」の出発とファンタジー
2 交差する三つの「闇」
3 思いのこめられた「闇」
4 九〇年代以降の状況のなかで
「語り」の問題性とその向こう側にあるもの――天沢退二郎における二元論の問題 井上乃武
1 二元論の破綻とテクスト内ファンタジーの自立――『光車よ、まわれ!』
2 物語群の解体と「世界」の改変――『オレンジ党』シリーズ
3 外的な存在としての「語り」の問題性――「闇の神話」試論
第3章 近代文学と闇のファンタジー
呪術的世界に生きた「毒もみのすきな署長さん」に関する考察――毒もみを中心とした宮沢賢治作品における罪のあり方をめぐって 大島丈志
1 署長さんの特異性をめぐって
2 毒もみ・発破という罪の扱われ方
3 呪いのすきな署長さん
4 みんなはすっかり感服しました
『犬神博士』とその一族――フィクションにおける「犬神」像 今井秀和
1 変貌する「犬神」像
2 実際の犬神信仰と、フィクションでの犬神
3 『犬神博士』と『犬神家の一族』
4 大神と犬神――『犬神博士』の挿絵を読む
5 新聞小説『犬神博士』
6 「ドグラマグラ使い」と「犬神使い」
風太郎文学における闇の論理――愛の亡霊、背徳の聖者たち 谷口 基
1 幽霊は時代に抗う――『幻燈辻馬車』
2 宗教的奇蹟か、「ゆうれい」か――『明治十手架』
3 「闇」のキリスト、監獄のイエス――『地の果ての獄』
第4章 ファンタジーの変容
ダークな感情が切り開く世界――桐野夏生『ダーク』論 吉岡 亮
1 変容と属性の消去
2 ネガティヴな感情の応酬とその外部
『キノの旅』と『ブギーポップは笑わない』 小松史生子
1 ここではない、どこかへ
2 正義と道徳
グロテスクな魔女の幻想――『うみねこのなく頃に』 大橋崇行
1 『うみねこのなく頃に』
2 「ゲーム」としての「ミステリー」
3 ライトノベルらしさの生成
4 殺人の描写
5 ミステリーにおける殺人の位置
6 グロテスクな魔女の幻想
[連載]
真夜中のセクシュアリティ(第6回)
闇の時代と〈少女〉の任務 久米依子
1 ダークな世界の女性たち
2 戦う少女の国
3 欲望のための表象
4 回避と依存
書棚の隅に何かいる(第4回)
「全国精神療法家大番附」――霊術家たちの最後の輝き 一柳廣孝
オカルト・アカデミックス(第3回)
鳥居みゆきの黒い笑いとネット文化――「地上」と「地下」の間で 伊藤龍平
1 「堕天使」から「マサコ」まで
2 妄想夢芝居
3 ネット的有名人の横顔
4 表舞台の地下芸人
ブックガイド 諸岡卓真/成田大典/井上貴翔/横濱雄二/川崎公平
在庫あり
送料無料162-0801 東京都新宿区山吹町337
電話:03-3268-0381
ファクス:03-3268-0382
●会社案内 ●購入案内 ●プライバシーポリシー ●特定商取引法に基づく表示
●特約店一覧
●リンク
掲載している文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。それ以外のものと青弓社社員によるものの著作権は株式会社青弓社にあります。