ナイトメア叢書 3
A5判 256ページ 並製
定価 2400円+税
ISBN978-4-7872-9181-3 C0395
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2006年12月 書店発売日 2006年12月18日 登録日 2010年02月18日
村・記憶・世間話の世界から飛び出して、小説・コミックス・映画・フィギュアなど、さまざまな文化現象のなかで増殖しつづける妖怪たち。私たちは、どのように妖怪を愛で/忌んでいるのか。妖怪の現在形から現代の闇を透かし見る「ナイトメア叢書」第3巻。
「闇」への想像力をかきたてるために──「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝
はじめに 一柳廣孝
第1章 妖怪と付き合う
妖怪研究三十年──小松和彦インタビュー 小松和彦[聞き手:一柳廣孝/吉田司雄]
1 現代によみがえる妖怪たち
2 社会の写し絵としての妖怪ブーム
3 妖怪を思考すること
4 民俗学と記憶と妖怪と
5 「異人」としての小松和彦
6 そして、民俗学と妖怪の未来へ
妖怪という文法──京極夏彦インタビュー 京極夏彦[聞き手:一柳廣孝/吉田司雄]
1 妖怪研究の現在
2 妖怪研究は不可能である
3 妖怪とは、水木しげるが作ったものだ
4 水木しげるの妖怪観
5 妖怪を書く
6 タイトルとボリュームと
7 どの出版社で何を書くか
8 メタ妖怪小説としての『豆腐小僧双六道中』
9 『妖怪馬鹿』たち
10 変質する妖怪
11 表現に対するこだわり
12 言葉のリズム
第2章 妖怪を語る
果てしなき流れに身を投じ 化野 燐
「妖怪」の要素──描くという視線から 東雲騎人
実録怪談のなかの妖怪たち 中山市朗
妖怪展にまつわる不思議な体験 湯本豪一
第3章 表象としての妖怪
薄明を歩む──熊倉隆敏『もっけ』 一柳廣孝
1 コミックスカバーの記号学
2 ヒトと物怪のあいだ
3 境界に佇むこと
4 モノノケと語ろう
怪猫映画の系譜学 志村三代子
1 怪猫映画の変遷
2 新興キネマの怪猫映画
3 鈴木澄子という女優
4 大映の怪猫映画
「モノノケ」の奏でる音楽──初期ソウル・フラワー・ユニオンの音楽が問題にしたもの 広瀬正浩
1 被災地に現れた「モノノケ」
2 「モノノケ」の視覚化とアイヌへの関心──『カムイ・イピリマ』
3 「モノノケ」への呼び掛け──『ワタツミ・ヤマツミ』
4 「モノノケ」を表象することの限界
5 主体としての「モノノケ」──モノノケ・サミットの実践
6 まとめ
第4章 時代のなかの妖怪
近世の怪異と知識人──近世前期の儒者を中心にして 木場貴俊
1 近世怪異文化の大立者、林羅山
2 怪異の唯物論的理解──貝原益軒をもとに
3 怪異の唯心論的理解──『性理字義』の受容
恋するオサカベ 横山泰子
1 江戸?明治期のオサカベ物
2 泉鏡花の『天守物語』
3 岡本綺堂の『小坂部姫』
4 現代歌舞伎の「恋するオサカベ」
毛玉たちの沈黙、あるいはケサランパサランの独白 飯倉義之
1 吾輩はケサランパサランである
2 いかに珍重されたかは、今日に至るまでの名前の多さでわかる
3 吾輩は昭和五十年来多少有名になったので
4 ありがたいありがたい。
ツチノコも繁殖する──「恐怖」から「愛玩」へ 伊藤龍平
1 『逃げろツチノコ』の話し手たち
2 ドラえもんとツチノコ
3 ツチノコのキャラクター化
[連載]
ゆらぐフレームの内外(第3回)
キング・コングになれなかった男 吉田司雄
真夜中のセクシュアリティ(第3回)
いつか妖怪になる日──馴らされぬ怪異を求めて 久米依子
1 〈妖怪愛〉の時代
2 同胞としての妖怪たち
3 怪異の無害化と共生──巌谷小波・宮沢賢治
4 〈母〉という怪異──小川未明
第5章 妖怪をまなざす
妖怪研究の現在 香川雅信
1 妖怪研究の流れ
2 妖怪と娯楽・サブカルチャー
3 妖怪と怪談・幽霊研究
「鏡花」の「怪異」について「語る」こと──田中貴子『鏡花と怪異』を読む 松村友視
1 物語とは何か
2 「怪異」のこわさとは何か
3 物語りたいのは誰なのか
ブックガイド 諸岡卓真/川崎公平/横濱雄二/井上貴翔/成田大典
品切れ・重版未定
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