ナイトメア叢書 2
A5判 280ページ 並製
定価 2400円+税
ISBN978-4-7872-9179-0 C0395
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2006年05月 書店発売日 2006年05月23日 登録日 2010年02月18日
現代の文化環境に広く浸透し、魔的な魅力で心をくすぐる幻想文学。夏目漱石から怪談・映画・ミステリ小説・ゲームまでを射程に収め、「幻想」が成立する場=魔界を見定めて近代へと遡って、多様な視角から闇を探索する「ナイトメア叢書」第2巻。
「闇」への想像力をかきたてるために──「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝
はじめに 一柳廣孝
第1章 「幻想文学」とその時代──東 雅夫インタビュー
「幻想文学」とその時代──東 雅夫インタビュー 聞き手:一柳廣孝/吉田司雄
1 エディトリアルの原風景
2 〈幻想〉な大学時代
3 「幻想文学」とその時代
4 「幽」を使い倒す
5 これが私の生きる道
第2章 幻想コラム
「人外」の幻想文学──乱歩・マッケン・中井英夫 真杉秀樹
ロマンティシズムの継承権 高原英理
なにを歌ったのかな?──ロス幻談 遠藤 徹
第3章 幻想文学史を再考する
座頭を殺す──『夢十夜』第三夜の幻想文学史 高山 宏
女霊の江戸怪談史──仁義なき「後妻(ルビ:うわなり)打ち」の登場 堤 邦彦
1 女霊の復讐
2 後妻(ルビ:うわなり)打ちのルール崩壊
3 妬むべからず、祟るべからず
4 近世怪異小説のまなざし
5 怪談と因縁咄のスタイル
怪談と語りの近代 高木史人/飯倉義之
1 「怪談」をどのように位置づけるか──高木史人から飯倉義之さんへ
2 「怪談」の隣へ 笑話・色話──飯倉義之から高木史人さんへ
3 口に甘く、耳にやさしい研究の台頭──高木史人から飯倉義之さんへ
4 やさしい世間の、やさしいわたし──飯倉義之から高木史人さんへ
5 怪談と語りの近代──高木史人から飯倉義之さんへ
〈少女〉という快楽──田山花袋「少女病」をめぐって 光石亜由美
1 〈少女〉の誕生と〈処女〉の価値
2 〈少女〉という快楽装置
3 「少女病」という新しい欲望
4 淫行条例と〈少女〉
影たちの街──カリガリスムと日本 中沢 弥
1 都市幻想
2 カリガリ博士のキャビネット
3 富ノ澤麟太郎の横顔
4 表現主義映画と日本
5 カリガリを探して
家郷/家霊幻想の文学誌──特に「メイスケさん」の系譜について 長山靖生
1 幻想文学の在処
2 反社会の秩序/社会の無秩序
3 想像/創造される「歴史」
4 「再生」する創造主と暗黒神
5 過去からの光に動かされる男
6 反国家としての愛国という系譜
もう一つのクローズドサークル──『八つ墓村』と『屍鬼』 横濱雄二/諸岡卓真
1 開かれた閉鎖空間
2 物語と反復
3 遡行と緊迫
4 閉鎖の反復
5 閉塞の緊迫
6 なぞり返すこと
ファンタジーRPGにおける「幻想」の居場所 高橋 準
1 「空想的なもの」と「現実的なもの」
2 「空想的なもの」とRPG
3 RPGが「ファンタジー」であるために
4 旅と戦いと──未知なるものを飼いならす
5 汝ら、とらわれし者たちよ──欲望の増殖と反復のなかで
夢の言葉の現実性(ルビ:リアリティ)──崎山多美「孤島夢ドュチュイムニ」 渡邊英理
1 夢の言葉
2 女の声と女の身体
3 視ることと視られること、乗り入れることと乗り入れられること
[連載]
真夜中のセクシュアリティ(第2回)
夢みる少年でいるために──『新世紀エヴァンゲリオン』の再生、あるいは 「虚構」の未来に向けて 久米依子
1 『Neon Genesis:Evangelion』のプロジェクト
2 日常のなかのヒーロー
3 陶酔と覚醒の間で
ゆらぐフレームの内外(第2回)
『黒革の手帖』のゆくえ 吉田司雄
第4章 日本ドッペルゲンガー小説年表稿 西井弥生子
日本ドッペルゲンガー小説年表稿 西井弥生子
第5章 書評エッセイ&ブックガイド
文学史の降霊術師・高田衛──西洋へ向けての江戸文学・近代文学の紹介を兼ねて フランソワ・ラショウ
前田愛・私的断章 東郷克美
ブックガイド 川崎公平/横濱雄二/諸岡卓真/成田大典/井上貴翔
品切れ・重版未定
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