ナイトメア叢書 1
A5判 242ページ 並製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-9178-3 C0395
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2005年11月 書店発売日 2005年11月23日 登録日 2010年02月18日
なぜ人は怖がりたがるのか──。小説から映画・マンガ・コミックスとあらゆる分野で定着したホラーというジャンルを総力検証して、現代社会における「闇」の変容を見定める「ナイトメア叢書」の第1巻。怪異を恐怖しながら快楽する批評空間への招待状。
「闇」への想像力をかきたてるために──「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝
第1章 新たなる怪異の発生──平山夢明インタビュー 平山夢明/一柳廣孝/吉田司雄
第2章 怪異を語る
マサユメ体質 芳川泰久
女が男に、男が女に 武田雅哉
不可能な夢 稲生平太郎
夢を妬む 遠藤 徹
第3章 怪異を読む
土俗系ホラーの問題領域(ルビ:プロブレマティーク)──岩井志麻子における「オカヤマ」の表象 木村 功
1 「ぼっけえ、きょうてえ」と「あまぞわい」の世界
2 「依って件(ルビ:くだん)の如し」の世界
3 「乞食(ルビ:ほいと)柱」の世界
4 土俗系ホラーの問題系
心霊からウイルスへ──鈴木光司『リング』『らせん』『ループ』を読む 奈良崎英穂
1 底流としてのドーキンス
2 流行としての「怖い話」
3 アンチ・エイズ小説としてのウイルス系ホラー
オカルト・ホラー小説がひらくもの──田口ランディ『コンセント』 生方智子
1 オカルトの機能
2 ホラーの位相
3 読み解かれる隠喩
4 〈主体〉のゆくえ
第4章 怪異を撮る
地獄の佐分利信──黒沢清と「恐怖」の映画史 城殿智行
1 レザーフェイスと佐分利信
2 裏窓と桟橋
3 チェーンソーとステテコ
『女優霊』論──あるいは、映画の自己言及作用に潜む「魔」について 中野 泰
1 怖くない幽霊
2 『人面疽』
3 フレーム
4 始源の映画
第5章 怪異を描く
起源のない富江と中心のないうずまき──伊藤潤二の描線・コマ・単一世界 高橋明彦
1 不十分な原因と理由
2 十分に圧倒的な画力(1)──描線
3 十分に圧倒的な画力(2)──コマ割り
4 起源のない富江
5 中心のないうずまき
6 伊藤潤二の非完結的単一世界
今市子『百鬼夜行抄』論──民俗学に支えられたストーリー 田中励儀
1 魅力的なキャラクター
2 民俗学的素材の活用・反転
3 演劇化・CDドラマ化
4 幸田露伴・泉鏡花との関わり
5 ノベルスとの交流
[連載]
真夜中のセクシュアリティ(第1回)
オンナ霊のいないジャパニーズ・ホラーなんて! 久米依子
1 親子物語となったジャパニーズ・ホラー
2 女性霊が跋扈する時代
3 霊のジェンダーは超えられるか?
ゆらぐフレームの内外(第1回)
『八つ墓村』の現在形 吉田司雄
第6章 怪異を識る 澁澤龍彦
死後の生──ゴシック/セクシャル・マイノリティ/サブカルチャー 跡上史郎
1 「あの澁澤龍彦」と「この澁澤龍彦」
2 ゴシックハートと小さな三島由紀夫たち
3 ゴシックハートを超えて
4 サブカルチャーとしての澁澤龍彦
高田衛 見えない世界の案内者 小二田誠二
1 上田秋成・曲亭馬琴
2 幻想文学研究
3 かさねと祐天
4 『四谷怪談』をめぐって
5 テキストの普及
第7章 怪異を編む
「幻想文学」の頃 長山靖生
「怪」と「幽」──「世界で唯一」VS「日本初」 清水 潤
1 妖怪祭りの夏
2 「妖怪マガジン」の変遷
3 浸透する水木「妖怪」
4 「怪談専門誌」の挑戦
ブックガイド 諸岡卓真/井上貴翔/川崎公平/成田大典/横濱雄二
品切れ・重版未定
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