高橋 輝次(著)
四六判 224ページ 並製
定価 1600円+税
ISBN978-4-7872-9157-8 C0095
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2002年05月 書店発売日 2002年05月09日 登録日 2010年02月18日
一冊の古本との出合いが別の古本を呼び寄せる、果てしなく続く不思議な連鎖──。原稿紛失の話や編集者の習性、古本で儲けそこなった話や著者と編集者の微妙な関係など、黒子を脱いだ編集者が素顔をさらしてつづる、本と著者と出版社の世界。
第1章 編集者、古本に出会う
古本にみる“嫌いな名前”の話
「原稿が書けない著者」と編集者
没体験の話
世に出ない遺稿の話
またまた原稿紛失の話
作家の自作朗読の話
古本にみる「序文」の競演
校正者の出てくる小説
検印を押す話
奥付を間違えそうになった話
第一創作集ができあがったとき──真杉静枝の小説から
献本へのお礼の話
本盗人の話
川端康成のもう一つの顔
国文学者が書いた小説──坂本浩『時ぞ待たるる』ほか
第2章 出版史のなかの編集者と作家
古本が古本を呼ぶ話──昭和十年代の協和書院をめぐって
小田嶽夫『文学青春群像』をめぐって──竹村書房のことなど
ぐろりあ・そさえて寸描──神戸出身の出版人、伊藤長蔵のおもかげ
金尾文淵堂──その人と仕事
古きよき時代の編集者と文士たち──車谷弘の二冊の随筆集から
ある出版人の足跡──明石書房と青年芸術派
大阪の古い出版社──プラトン社・波屋書房・淑女社
二冊の編集者追悼集──『大森直道さんを偲ぶ』『回想の森一祐』
珍しい編集者批判
追悼、創元社・矢部文治氏
第3章 フリー編集者の日常
古本で儲けそこなった話
編集者の習性
原稿依頼の話
M先生との交流
詩人古本屋
古書目録
文学者の古本屋時代
古本祭りに想う
書店での著者のエゴイズムをうつ
手紙と感動
第4章 編集者、本を読む
出版業界の論点をえぐる──佐野眞一『だれが「本」を殺すのか』
聞き上手のコツを具体的に伝授──東山紘久『プロカウンセラーの聞く技術』
生彩に富む編集者時代の交友記──水上勉『文壇放浪』
文学者たちの友情はいかに成立し、発展したか──高橋英夫『友情の文学誌』
出版黄金期の読者像を解明する──永嶺重敏『モダン都市の読書空間』
〈もの〉をとおして見る新鮮な日常生活!──堀江敏幸『回送電車』
研究者の蒐書のエネルギーに圧倒される──大屋幸世『蒐書日誌』一・二
出版の舞台裏がのぞける楽しさ!──岸本葉子『炊飯器とキーボード』
「異本」の存在が古典を成立させる!──外山滋比古『古典論』
古本屋の仕事はおもしろい!──内堀弘『石神井書林日録』
ノンフィクション作家への道は厳しい!──佐野眞一『私の体験的ノンフィクション術』
美しき“物”に魅せられて──村田喜代子『人が見たら蛙に化(ルビ;な)れ』
あとがき
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