宝塚イズム35 特集 さよなら早霧せいな&咲妃みゆ
A5判 180ページ 並製
定価 1600円+税
ISBN978-4-7872-7400-7 C0374
在庫あり
奥付の初版発行年月 2017年06月
書店発売日 2017年06月01日
登録日 2017年03月29日
紹介
抜群のコンビネーションで観客を魅了した雪組トップコンビ早霧せいな&咲妃みゆ。多彩な論考で2人の輝きを思い返し、「平成のゴールデンコンビ」に別れの言葉を贈る! 小特集や公演評に加え、元星組トップ北翔海莉のインタビューも盛り込む充実の一冊。
解説
お披露目から3作連続で大劇場稼働率100%以上を達成し、『るろうに剣心』などの有名マンガ作品の舞台化を見事に成功させてきた雪組の大人気トップコンビ・早霧せいな&咲妃みゆ。華やかで涼しげな美貌と熱い内面を併せ持つ早霧と、柔らかな愛らしさのなかに芯の強さを見せる咲妃は、抜群の相性でいくつもの名シーンを生み出し観客を魅了してきた。2人の7月退団を前に、特集ではそれぞれの魅力や舞台の思い出、2人の奇跡的なコンビネーションなどをとことん語り、雪組が誇るゴールデンコンビに別れの言葉を贈る。
小特集1では、刊行時に大劇場お披露目中の星組トップ紅ゆずると相手役・綺咲愛里への期待を語り、小特集2では『モン・パリ』誕生90周年で脚光を浴びるレビューの独特の魅力に様々な角度から迫る。さらにOGロングインタビューには、元星組トップ北翔海莉が早くも登場! 多彩な公演評に加えて新人公演評や舞台写真所収のOG公演評も盛り込んで、大満足間違いなしの一冊。
目次
特集 さよなら早霧せいな&咲妃みゆ
はじめに 宝塚のプロに徹した美形コンビ 薮下哲司
早霧よ、今日も、ありがとう…… 大上戸国雄
奇跡の出会いが生んだ幸福な時間 平成のゴールデンコンビ早霧せいな&咲妃みゆに寄せて 鶴岡英理子
理想のカップルとの別れを惜しむ 岩本 拓
ひたむきな努力で咲いた大輪の福寿草 加藤暁子
お互いを昇華させたちぎみゆコンビ 木谷富士子
早霧・咲妃・望海のトリデンテとはなんだったのか 大越アイコ
芝居の名手に、ただただ感謝! 永岡俊哉
『幕末太陽傳』公演評 原作映画の見事な宝塚化、活力あふれる傑作 薮下哲司
小特集1 新生星組・紅ゆずる&綺咲愛里、始動!
はじめに 最も宝塚らしく最も宝塚らしくない新トップ 薮下哲司
星を継ぐトップに込められた期待 木谷富士子
紅なりのトップのあり方を見つけてほしい 永岡俊哉
二人の偉大なトップに育まれ羽ばたく 岩本 拓
小特集2 やっぱりレビューが好き!――『モン・パリ』九十周年
はじめに 『モン・パリ』九十周年、新たな挑戦に期待 薮下哲司
レビューを育て続けた宝塚歌劇 加藤暁子
真のショースターとは 木谷富士子
温故知新の精神で時代の彩りを添えた「レビュー」こそ宝塚の神髄 水野成美
公演評2016・11―17・4
花組『雪華抄』『金色の砂漠』
宝塚歌劇の新局面を感じた二本立て 宮本啓子
スター力を信じた作家の実験的手法 大越アイコ
月組『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』
適材適所とはこのこと! 新生月組が好スタートを飾る 永岡俊哉
ゼロ番スター愛希れいかの輝きとそれを受け止める新トップ! 大越アイコ
星組『THE SCARLET PIMPERNEL』
紅を支える星組生に感動 岩本 拓
宙組『王妃の館――Chateau de la Reine』『VIVA! FESTA!』
笑って泣いて……。宝塚の新境地 永岡俊哉
異色の作品の宝塚化に成功した田渕大輔と宙組のパワー 鶴岡英理子
対談 新体制作りが着々と続いた半年間 二〇一六年十月─一七年四月の外箱公演 薮下哲司/鶴岡英理子
新人公演評2016・10―17・4
若手も育て、組全体も磨き上げる新人公演。今回も秀作ぞろい!――宝塚大劇場篇 永岡俊哉
宝塚全体のレベルの底上げを実感する新人公演――東京宝塚劇場篇 鶴岡英理子
OG公演評2016・10―17・4
進化し続ける宝塚OGたちに感じる誇らしさ――関東篇 鶴岡英理子
二十周年の掉尾を飾った龍エリザベート――関西篇 薮下哲司
おでこが魅力だったか? 伝説の娘役・遥くらら 宮田達夫
宝塚に見る戦国武将 宮本啓子
OGロングインタビュー 北翔海莉――好きなことができる幸せをかみしめて 聞き手/薮下哲司
著者プロフィル
薮下 哲司(ヤブシタ テツジ)
映画・演劇評論家、元スポーツニッポン新聞社特別委員、甲南女子大学非常勤講師。毎日文化センター宝塚講座担当。著書に『宝塚歌劇支局1』『宝塚歌劇支局2』『宝塚伝説2001』(いずれも青弓社)ほか。宝塚歌劇公演評(「毎日新聞」関西版夕刊)を連載中。ブログ「薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス」(http://ameblo.jp/takarazukakagekishikyoku/)。鶴岡 英理子(ツルオカ エリコ)
演劇ライター。著書に『宝塚のシルエット』、編著書に『宝塚ゼミ』シリーズ(ともに青弓社)ほか。インタビュー記事なども多数。◆早霧せいな&咲妃みゆ退団特集の今号制作中に、実咲凜音が宝塚を去っていきました。『王妃の館』東京公演初日の囲み会見で「実咲を無事に送り出すことが私の使命」と言い切った朝夏まなとも、自身の退団に向けたラストランが始まっています。宝塚の宿命とはいいながら、名残惜しいでは言い表せない寂寥感のなかでの作業になりました。 上記内容は本書刊行時のものです。