田畑 きよ子(著)
四六判 296ページ 並製
定価 2800円+税
ISBN978-4-7872-7386-4 C0074
在庫あり
奥付の初版発行年月 2016年02月 書店発売日 2016年02月20日 登録日 2015年12月02日
100年の歴史を刻んだ宝塚歌劇の基礎を作った名演出家・白井鐵造――そのデビューから黄金期までの作品と生涯をたどり、「レビューの王様」と呼ばれた実像を描く。宝塚OGと演出家へのインタビューも所収し、白井独特の美学と舞台作りの魅力を浮き彫りにする。
「レビューの王様」と称され、宝塚歌劇のレビューを形作った白井鐵造の作品と軌跡をたどり、元タカラジェンヌや演出家の思い出を聞き書きし、知られていない実像を描く。
白井鐵造とは誰か――。日本初のレビュー『モン・パリ』を振り付けしたあとレビューの本場パリで修業して帰国、1930年に『パリゼット』を発表した。この作品で、宝塚を象徴する足を高く上げるラインダンスを振り付けし、羽根扇やタップダンス、独特の舞台メイクを初めて登場させたことで当時の演劇界に多大な影響を及ぼした。さらに、白井が作詞した「すみれの花咲く頃」「おお宝塚」などの愛唱歌も披露した。その後、『ローズ・パリ』『サルタンバンク』『花詩集』などのヒット作や宝塚初の一本立て作品『虞美人』、『源氏物語』などの著名な作品も残した、現在の宝塚歌劇の基礎を作った名演出家だ。
本書は、作品と生涯をたどるとともに、宝塚OGの加茂さくら、八汐路まり、初風諄、但馬久美、竹生沙由里、瀬戸内美八のほか、ヒット作品を生んだ宝塚の人気演出家たちにインタビューして、白井独特の演出と舞台作りの魅力を浮き彫りにする。
はじめに――「すみれ」の花と「リラ」の花
第1章 白井鐵造レビューへの道のり――一九一三―二一年
1 音楽への目覚め――「母に楽をさせたい」一心から選んだ道
2 母親の死、帝劇女優・田中勝代、そして運命の新聞記事
3 音楽界の発展に向け新天地を求めた白井の恩人たち――高折周一・寿美子と山本正夫
4 苦学時代に得た大きな教訓――一九一八―一九年
5 岸田辰彌の弟子として、激動の時代を生きる――浅草オペラで初舞台、男子専科から奇術団で旅回り
第2章 デビュー作で生み出した作劇法――一九二一―二九年
第3章 『モン・パリ』と『パリゼット』を比較して――一九二七―三〇年
1 岸田辰彌と白井鐵造――性格と舞台作り
2 岸田辰彌の欧米視察の成果――日本初のレビュー『モン・パリ』の上演
3 『モン・パリ』に次ぐ宝塚レビューを求めて
4 白井のパリ留学――一九二八年十月
5 『パリゼット』の上演――一九三〇年八月
第4章 宝塚の進むべき道――レビューからオペレッタへ:戦前篇
1 筋があるレビューの可否について
2 「宝塚の進むべき道」――第二回洋行から学んだこと
3 戦時下の白井鐵造――宝塚歌劇団の理事長として
第5章 黄金期の白井作品――戦後の活躍
1 グランド・レビュー『虞美人』と新国民劇――東京宝塚劇場の再開
2 日本物レビューの成功――白井・春日野コンビ
3 白井に続く演出家たち
4 「夢よもう一度」――再演と「すみれの花咲く頃」
5 「すみれ」とともに、白井の故郷・春野町の取り組み
第6章 白井鐵造を語る――インタビューでつづるその姿
1 加茂さくらと『黒船』から『微笑の国』――一九五五年初舞台
2 八汐路まりと『忘れじの歌』から『オクラホマ!』――一九五九年初舞台
3 初風諄と『三つのワルツ』から『ベルサイユのばら』――一九六一年初舞台
4 花の五十期生、但馬久美と竹生沙由里――一九六四年初舞台
5 瀬戸内美八と『心中・恋の大和路』から近松物の一人芝居へ――一九六六年初舞台
第7章 海外公演と白井鐵造
1 カナダ・アメリカ公演――辛口の批評に学ぶ
2 第三回ヨーロッパ公演――自力で和洋のレビューを作る
第8章 白井レビューは、次世代へ
1 白井レビューの集大成 『ラ・ベルたからづか』――一九七九年六―八月
2 次世代へと引き継がれていった白井レビュー――演出家に聞く
あとがき
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