三宅 新三(著)
四六判 248ページ 並製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-7302-4 C0073
在庫あり
奥付の初版発行年月 2011年04月 書店発売日 2011年04月18日 登録日 2011年04月11日
貴族社会から市民社会への転換期に生きた芸術家モーツァルト。彼のオペラの根底には愛と結婚をめぐる新旧社会の規範の対立や葛藤というエロスの問題が横たわっている。その社会的・文化的な諸相を『イドメネオ』から『魔笛』までの七大オペラを通して読み解く。
はじめに――転換期の芸術家モーツァルト
第1章 『イドメネオ』――オペラ・セリアの解体の試み
1 作品の成立
2 オペラ・セリアとアンサンブル
3 礼儀作法と怒り、愛
4 エレットラ
5 イリア
第2章 『後宮からの逃走』――市民社会的結婚観の勝利
1 作品の成立
2 太守セリム
3 オスミン
4 ベルモンテ
5 コンスタンツェ
第3章 『フィガロの結婚』――愛と結婚をめぐる階級闘争
1 作品の成立
2 フィガロとアルマヴィーヴァ伯爵
3 宮廷社会の結婚と市民社会の結婚
4 スザンナ
5 伯爵夫人
第4章 『ドン・ジョヴァンニ』――封建社会の崩壊の予兆
1 レポレッロ
2 ドン・ジョヴァンニ(1)
3 ドン・ジョヴァンニ(2)
4 ドンナ・アンナ
5 ドンナ・エルヴィーラ
6 ツェルリーナ
第5章 『コシ・ファン・トゥッテ』――市民社会的結婚の危うさ
1 作品の評価
2 フェランドとグリエルモ
3 ドラベッラ
4 フィオルディリージ
第6章 『皇帝ティートの慈悲』――オペラ・セリアの終焉
1 作品の成立
2 作品の評価
3 メタスタージオの台本の改作
4 皇帝ティート
5 ヴィテリアとセルヴィリア
第7章 『魔笛』――愛による男性社会の破壊
1 作品の成立
2 タミーノ
3 ザラストロとモノスタトス
4 パパゲーノ
5 パミーナと夜の女王
おわりに――モーツァルトとヴァーグナー
あとがき
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