青弓社編集部(編)
四六判 346ページ 並製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-7260-7 C0074
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2009年03月 書店発売日 2009年03月20日 登録日 2010年02月18日
宝塚歌劇は私たちの多様な「夢」の結晶だ! 物語、男役という存在、音楽・オペラ、ファン、ゴスロリ、場所性などの視点から宝塚という文化の社会的な意義を提示し、その甘美な世界へと誘惑して魅力をあますところなくレクチャーする。
はじめに――青弓社編集部
第1章 宝塚と複数の物語
「宝塚」というメディアの構造――タカラジェンヌの四層構造と物語消費 東 園子
1 環境分析的な舞台の見方
2 タカラジェンヌの四層構造
3 物語消費する「宝塚」ファン
宝塚歌劇と「物語」の位相 稲増龍夫
1 小劇場との出会いと「ポストモダン」
2 「物語の解体」と「劇的なるもの」
3 『蒲田行進曲』から『銀ちゃんの恋』へ
4 「データベース消費」としての宝塚
5 『逆転裁判』が切り開く宝塚の新しい地平
アイーダ変容 鈴木国男
1 イタリアオペラ『アイーダ』
2 宝塚歌劇『王家に捧ぐ歌』
認識のツールとしての翻案(ルビ:アダプテーション)──『ばらの騎士』と『愛のソナタ』から 若林雅哉
1 正典(ルビ:キャノン)と翻案(ルビ:アダプテーション)――認識のツールとしての可能性
2 『ばらの騎士』と『愛のソナタ』
第2章 宝塚と複数の歴史
「西洋物」と「日本物」――宝塚にみる異文化の発見と受容の歴史 袴田麻祐子
1 宝塚のはじまり
2 「西洋物」の発見
3 『モン・パリ』――意識された西洋との距離
4 白井レビューとその「西洋」
5 「西洋」/「日本」という判断
宝塚歌劇の「音楽」 戸ノ下達也
1 歌劇公演の歴史と音楽
2 宝塚歌劇と彩る作曲家群像
タカラヅカファンの実態――華麗な舞台の知られざる裏側 奥川結香
1 ヅカファンの特徴
2 ヅカファンと宝塚
3 アンケート調査から見る現在のファンの姿
4 男性ファンと宝塚
5 アイドルファンと宝塚
「宝塚」とは、どこか――その多義的なありかを追想のなかに探って 柿田 肇
1 郊外地・宝塚――阪急沿線/阪神間での、そのありか
2 〈場所〉――「宝塚」という記憶のありか
3 終着地・宝塚
第3章 宝塚と複数の性
「男役」論――「いきの構造」の観点からの考察 大越アイコ
1 「男役」とは
2 「特権的肉体論」
3 「偶然性」の理論
4 「男役」の構造分析
5 「男役」の魅力
女たちの絆――退団後の天海祐希と「キャリアウーマン」たち 石田美紀
1 「キャリアウーマン」が生まれるとき――『クリスマス黙示録』の杉村葉子の造形
2 女優としての成功――テレビドラマ「離婚弁護士」シリーズ
3 異形の「キャリアウーマン」――『女王の教室』
宝塚・コスプレ・ゴスロリ――「夢の世界」との距離 水野 麗
1 宝塚と「西洋」
2 コスプレと「西洋」
3 ゴスロリと「西洋」
4 ふたたび、宝塚と「西洋」
「宝塚」と「少女」と「萌え」 荷宮和子
1 「アニメ声」と「ロリ」と「萌え」
2 「少女」と「おとめ」
3 「いっぺん死んでみる?」
4 「士農工商」の呪縛
5 「少女」を取り巻く「殺伐」
6 「元少女」であるヅカファンとして
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