マーク・ジャンコヴィック(著) / 遠藤 徹(訳)
四六判 220ページ 上製
定価 2600円+税
ISBN978-4-7872-7078-8 C0074
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 1997年10月 書店発売日 1997年10月01日 登録日 2010年02月18日
ゴシック小説の登場以来200年のホラーの歴史は、「恐怖・脅威にさらされた人間」=「犠牲者」という表象をとおして、個人・身体・社会生活に対する権力作用を浮き彫りにした──。恐怖と快楽、欲望と抑圧の理論的臨界点をさぐる。
1 ホラー・ジャンルとその批評家たち (1)倫理的パニックとホラーの政治学 (2)ホラーの精神分析的理論 (3)闘争の場としての文化2 ゴシック小説 (1)ゴシック小説におけるジェンダーと権力 (2)三人のゴシック作家たち──ホラス・ウォルポール、アン・ラドクリフ、マシュー・グレゴリー・ルイス (3)フランケンシュタインにおける科学、ジェンダー、反乱3 アメリカの悪夢──モダニティとアメリカン・ルネッサンス (1)ロマンスの理論──アメリカン・ルネッサンスの規範(キャノン)化におけるホラーと歴史の否定 (2)エドガー・アラン・ポーと近代化にたいする反動 (3)ナサニエル・ホーソーンと歴史の矛盾4 後期ヴィクトリア朝的想像力の野獣 (1)ホラー・ジャンルの復活 (2)ジキル博士、ハイド氏と十九世紀後半のブルジョワ倫理のジレンマ (3)ブルジョアの血を干上がらせろ──『ドラキュラ』と独占資本主義の恐怖5 ホラー映画の出現 (1)ホラー映画の創造 (2)ブラウニング、ホエールとユニヴァーサル・スタジオ (3)ヴァル・リュートンの貢献6 フォーディストの恐怖──エイリアン的存在と合理的支配 (1)一九五〇年代の侵略物語 (2)アウトサイダーたちと「正常さ」の相対化 (3)ゴシックの再帰 (4)ホラーが家にやってくる。一九五〇年代の怪物性と家族7 ポストフォーディズム、ポストモダニズムとパラノイア──現代文化におけるホラー・ジャンルの支配 (1)現代のホラーにおける個人的または社会的な危機 (2)黙示録的な物語と現代ホラーの登場 (3)『エクソシスト』とそれ以後──メインストリームでの成功と悪魔 (4)スティーヴン・キングの重要性 (5)連続殺人鬼と女性主人公 (6)女性のホラーとフェミニズム (7)ボディ・ホラー──アイデンティティの危機と身体の変容8 結論原注ホラーの研究書ガイド訳者あとがき索引
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