社会一般
稲垣 健志(編著)
A5判 180ページ 並製 定価 3400円+税 ISBN978-4-7872-3557-2 C0036
書店発売予定日 2025年04月25日 登録日 2025年03月11日
[著者] 稲垣健志/本康宏史/小笠原博毅/星野 太/高原太一/板倉史明/井上法子 内灘基地反対運動は、1952年から53年にかけて、在日アメリカ軍が朝鮮戦争を背景に日本での砲弾試射場の提供を要求したことに端を発した闘争である。石川県の人々はもちろん、全国の政党、労働団体、学生、そして大宅壮一、石川達三、清水幾太郎たち文化人がつながりを作りながら反対運動を展開し、「戦後初の全国的な基地反対闘争」として、社会運動史に名を刻んでいる。 沖縄の基地反対運動が常に注目されているが、沖縄とはまた異なる内灘闘争の記憶とインパクトを、私たちは「いまの問題」としてどのように引き受けられるだろうか。「基地問題」と私たちの日常を接続させる文化的な回路を、どうしたら作り出せるだろうか。 アート/展示、音/ノイズ、ルポルタージュ、写真、映画、短歌という文化の視点から内灘闘争を捉え直し、敗戦後80年のいま、基地反対闘争の記憶に新たな輪郭と可能性を読み解くカルチュラル・スタディーズの実践的な成果。 【目次】 まえがき 稲垣健志 第1章 内灘闘争の記憶と文化表象 本康宏史 第2章 内灘闘争の「遺産化・文化財化」に抗う――「内灘闘争――風と砂の記憶」展をめぐって 稲垣健志 第3章 内灘に耳を傾ける技術――風と砂だけではない「戦後史」を聞く 小笠原博毅 第4章 砲撃音のルポルタージュ――現在の会、伊達得夫、内灘闘争 星野 太 第5章 砂とむしろとカメラ――内灘の土門拳 高原太一 第6章 『非行少女』における内灘闘争の敗者の隠蔽 板倉史明 第7章 短歌での「叙事詩」の可能性――歌集『内灘』の〈風〉と〈砂〉の歌に着目して 井上法子 あとがき 稲垣健志