社会一般
西原 麻里(著)
A5判 240ページ 並製 定価 2400円+税 ISBN978-4-7872-3552-7 C0036
書店発売予定日 2025年02月25日 登録日 2024年12月24日
少年愛の時代から呼称を変えながら50年以上受け継がれてきた「男性キャラクター同士の恋愛やセックスを軸にする物語」は、巨大なメディア産業の一翼を担うBLへとどのように至ったのか。ポピュラー文化の一つのジャンルとして確立する過程で、表現の型やお約束はどう変遷してきたのか。そもそも、BLをBLたらしめるものとは何なのか。 1970年から2000年に商業ベースで刊行された2,873作品を幅広く数量的に分析して、時期ごとの特徴を浮き彫りにする。とりわけ、ストーリーやキャラクター、カップル、セックスシーンの特徴を比較して、ジャンル総体の傾向を分析する。そのうえで、その背後にある女性を抑圧する社会規範との関連を捉える。 「悲劇から恋の成就というハッピーエンドへ」「女性的な美しさから男性のかわいさへ」などのジャンルの変化を実証的に明らかにして、女性たちが時代ごとの厳しい現実を生き延びるために紡ぎ出してきた表現のダイナミックな歴史をたどる。 【目次】 はじめに――〈男×男〉マンガの誕生と変化を考えるために 第1章 BLマンガというジャンル 第1部 変化を捉える――〈男×男〉マンガの通時性 第2章 ストーリーの数量的分析 第3章 キャラクターの数量的分析 第4章 カップルの数量的分析 第5章 セックスシーンの数量的分析 第2部 時代の特徴を捉える――〈男×男〉マンガの共時性 第6章 〈男×男〉マンガの誕生――少年愛期 第7章 〈男×男〉マンガの成長――JUNE/耽美期 第8章 〈男×男〉マンガの転換――プレ・ボーイズラブ期 第9章 〈男×男〉マンガのジャンルの形成――ボーイズラブ期 おわりに――BLジャンルができるまで、できてから あとがき