ジョゼ・ジョンストン(著) / シャイヨン・バウマン(著) / 村井 重樹(訳) / 塚田 修一(訳) / 片岡 栄美(訳) / 宮下 阿子(訳)
A5判 440ページ 並製
定価 4000円+税
ISBN978-4-7872-3473-5 C0036
在庫あり
書店発売日 2020年07月28日 登録日 2020年06月17日
「日本経済新聞」 朝刊 |
食を自分のアイデンティティとして捉える人々=フーディー。彼・彼女らの生活世界に、雑誌記事やテレビ番組、インタビューから多角的に迫る。「食の民主化」と「エキゾチシズム・真正性への希求」という食文化の両義性と、両者の緊張関係を析出する。
食を自分のアイデンティティやライフスタイルとして捉える人々=フーディー。その言葉や存在は、TBSドラマ『グランメゾン東京』や三越伊勢丹運営の食メディア「FOODIE」、雑誌の特集で、日本でも知られるようになった。
高級店を訪れる一方、オーガニック食品やローカルフード、「手作り」にも引かれ、郷土料理やエスニック料理も味わう。「良い食べ物」を食べて学ぶことに強い関心をもつ彼/彼女たちの実態とは、いったいどのようなものか。
現代アメリカのフーディーの生活世界、セレブシェフへの熱狂、レストラン批評やフードブログの隆盛に、雑誌記事やテレビ番組、フーディー当事者へのインタビューから多角的に迫る。そして、「食の民主化」と「エキゾチシズム・真正性への希求」という食文化の両義性と、両者の緊張関係を析出する。
フーディーをめぐる食文化から階級や人種、ジェンダーの問題系を浮き彫りにして、そこに潜む社会的な不平等や雑食的な文化資本、卓越化の戦略を明らかにする「食の社会学」。
第二版序文 ジョゼ・ジョンストン/シャイヨン・バウマン
第二版叢書序言 叢書編集者シャロン・ズーキン
謝辞 ジョゼ・ジョンストン/シャイヨン・バウマン
序 論 フーディーのおいしい世界に足を踏み入れる
1 フランス料理の没落――料理の脱聖別化に関する歴史的展望
2 現代のグルメフードスケープ――フーディーと不平等
3 グルメフードスケープの主な特徴――嗜好とトレンド
4 各章の概要
第1章 フーディー・オムニボア・言説
1 食と嗜好の研究への招待
2 言説・民主主義・卓越化
3 「フーディー」とは何か?
第2章 真正性を食べる
1 真正性を取り出す
2 真正な食べ物の諸次元
3 真正性の文化政治
第3章 料理上の他者――エキゾチシズムの探求
1 料理植民地主義?
2 料理コスモポリタニズム?
3 エキゾチシズムの操作化
第4章 フーディーをめぐる政治――これはおいしい革命だ!
1 政治的食事――歴史的展望
2 フーディーをめぐる政治で競合するイデオロギー
3 フーディーをめぐる政治の言説
4 フーディーは語る――喜びと政治の均衡を保つ
5 結論
第5章 階級と階級の不在
1 グルメフード記事のフレーム――不平等の隠蔽
2 階級不在を維持する三つのフレーム
3 オムニボアとしてのフーディー――俗物性の拒否と地位の交渉
4 階級と地位に関する結論――最小化されているが、やはり関連している
第6章 食に心を配る――フーディーのキッチンに見るジェンダー実践 ケイト・ケアンズ/ジョゼ・ジョンストン/シャイヨン・バウマン
1 ジェンダー化されたフーディーへの招待
2 ジェンダー・食・アイデンティティ
3 フーディー文化に見るジェンダー実践
4 喜び
5 ケアワーク
6 知識と熟練の技
7 結論――フーディーはどのようにジェンダーを実践しているのか
結 論 フーディーの連続性・変化・道徳的両義性
補遺A インタビューデータ――方法論と質問
補遺B インタビュイーの基本属性
補遺C 言説分析――方法と結果
参考文献
監訳者あとがき 村井重樹
事項索引
人名索引
在庫あり
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