ソシオロジー選書 4
トニー・ベネット(著) / マイク・サヴィジ(著) / エリザベス・シルヴァ(著) / アラン・ワード(著) / モデスト・ガヨ=カル(著) / デイヴィッド・ライト(著) / 磯 直樹(訳) / 香川 めい(訳) / 森田 次朗(訳) / 知念 渉(訳) / 相澤 真一(訳)
A5判 560ページ 上製
定価 6000円+税
ISBN978-4-7872-3425-4 C0336
在庫あり
奥付の初版発行年月 2017年10月 書店発売日 2017年10月26日 登録日 2017年08月09日
「社会学の古典」であるピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』の問題設定・理論・方法を批判的に継承し、量的調査と質的調査を組み合わせて、趣味や嗜好などに関わる文化が社会で資本としてどのように機能しているのかを明らかにする。
「社会学の古典」であるピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』。1979年に刊行された原書の問題設定・理論・方法を批判的に継承し、質問紙調査とインタビューを組み合わせた社会調査によって、2000年代以降のイギリス社会の分析に応用したのが本書である。
文化的な嗜好・趣味――音楽・読書・視覚芸術・テレビ・スポーツなど――は、それを選択した人々の行動・実践にどのように影響しているのか。嗜好・趣味と、階級やジェンダー、エスニシティ、教育、年齢などとの関係性を、調査結果から立体的に照射する。
そして、ハイカルチャーも大衆文化も区別なく摂取する文化的雑種性をめぐる議論を踏まえて、文化が資本・資産として社会のなかで機能することを丁寧に描き出す。
「格差」「分断」が叫ばれる日本社会の実情を、量的調査・質的調査の両者を通じて、実証的に分析するための道具立てとしても有用な一冊。
謝辞
序論
第1部 分析の位置づけ
第1章 『ディスタンクシオン』以後の文化
1 序
2 ブルデューの三つの公理
3 フランス社会学でのブルデューをめぐる論争
4 教育と社会階層の社会学におけるブルデュー
5 文化社会学でのブルデュー
6 文化研究とメディア研究におけるブルデュー
7 結論
第2章 文化資本の調査に向けて――理論と方法に関するいくつかの問い
1 序
2 ハビトゥスと実践の分散
3 文化資本の分解
4 界の理論と社会的なものの関係論的組織化
5 方法論序説
6 結論
第2部 嗜好・実践・個人のマッピング
第3章 イギリスの文化的趣味と関与のマッピング
1 序
2 多重対応分析の使用
3 ライフスタイル空間――二〇〇三年イギリスの文化マップ
4 社会集団とライフスタイル空間
5 イギリスの階級構造
6 結論
第4章 文化マップのなかの諸個人
1 序
2 ライフスタイルの空間での諸個人
3 嗜好についての発言における俗物性と多様性
4 結論
第3部 文化界と文化資本の構成
第5章 音楽界の緊張関係
1 序
2 競争的な文化の界としての音楽
3 音楽の嗜好の輪郭
4 音楽の嗜好の強さ
5 音楽と行動
6 結論
第6章 人気と稀有と――読むことの界に関する探究
1 序
2 読むことの機能
3 本の文化
4 新聞と雑誌――日常的に読むことの利用
5 結論
第7章 視覚芸術の社会学的カンバス
1 序
2 絵画を対照化すること
3 視覚芸術を消費すること
4 視覚芸術を鑑賞すること
5 結論
第8章 卓越化の対照的なダイナミクス――メディア領域
1 序
2 テレビと映画での階級間の相違
3 テレビと卓越化の新しい実践
4 映画と「美学」と「リアルなもの」という差異化の力
5 結論
第9章 文化資本と身体
1 序
2 身体化された文化資本という概念
3 スポーツと身体的運動
4 身体の装飾とケア
5 食事と料理
6 結論
第3部の要約
第4部 卓越化の社会的次元
第10章 中産階級の文化形成
1 序
2 中産階級をめぐる議論
3 イギリスの中産階級
4 オムニボア性の解明
5 中産階級のアイデンティティ形成
6 結論
第11章 文化と労働者階級
1 序
2 文化の考慮
3 イギリスの労働者階級の現在
4 距離化
5 卓越化のローカルなゲーム――労働者階級内の分断
6 階級の敵意?
7 結論
第12章 ジェンダーと文化資本
1 序
2 ジェンダーと世帯関係
3 諸文化界と諸個人のジェンダー化
4 せめぎ合うジェンダー・アイデンティティ
5 結論
第13章 ネイション、エスニシティ、グローバル化
1 序
2 ホームとアウェー
3 イギリス・アメリカ・ヨーロッパの文化スケープ
4 結論
結論
方法論補遺
補遺1:フォーカスグループ
補遺2:質問紙調査とその分析
補遺3:世帯インタビュー
補遺4:エリートインタビュー
登場人物
参考文献
訳者解説 磯 直樹/相澤真一
人名索引
事項索引
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