青弓社ライブラリー 89
四六判 176ページ 並製
定価 1600円+税
ISBN978-4-7872-3421-6 C0336
在庫あり
奥付の初版発行年月 2017年09月 書店発売日 2017年09月30日 登録日 2017年06月02日
「朝日新聞」
朝刊 評者:間宮陽介(青山学院大学特任教授・社会経済学) |
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「朝日新聞」
朝刊 評者:齋藤純一(早稲田大学教授・政治学) |
自民党政権の家族政策である家庭教育支援法案、親子断絶防止法案、自民党の憲法改正草案(24条改正)、官製婚活などを検証して、諸政策が家族のあり方や性別役割を固定化しようとしていることをあぶり出す。日本の右傾化を問ううえでも重要な一冊。
政府が「女性の活躍」を華々しく謳う一方で、家庭教育支援法案、親子断絶防止法案、自民党の憲法改正草案(24条改正)、改正教育基本法など、女性の権利を制約したり、家族のあり方や性別役割を固定化しようとする法律や法律案が議論され、それらを成立させようとする動きが顕著になっている。また、内閣府の婚活支援や各自治体の官製婚活も活発化しているのが現状である。
個人の権利を制限する一方で、「家族・家庭」や「個々人の能力・資質」までも共同体や国家に組み込むような諸政策の問題点の核心はどこにあるのか。
他方で、家族や子育て、性的マイノリティを支援する社会制度の設計は喫緊の課題である。国家の過度な介入を防ぎながらどう支援を実現していくのかを、家族やジェンダー、福祉、法学の専門家がそれぞれの立場から縦横に論じる。日本の右傾化を問ううえでも重要な一冊。
執筆者
本田由紀/二宮周平/千田有紀/斉藤正美/若尾典子/伊藤公雄
(以上、執筆順。敬称略)
序章 なぜ家族に焦点が当てられるのか 本田由紀
1 家族と国家
2 現状の異常さ
3 その背景にあるもの――一九九〇年代からの布石
4 政権奪回後の自民党政治の性質
5 教育をめぐって起きていること
6 本書の構成
第1章 家庭教育支援法について 二宮周平
1 本法案の概要と問題点
2 文科省が実施する家庭教育支援の推進
3 二〇〇六年法の精神
4 比較の視点――子どもの権利条約と地方公共団体の家庭教育支援条例
第2章 親子断絶防止法について 千田有紀
1 諸外国での動き
2 日本での動き
3 親子断絶防止法について
第3章 経済政策と連動する官製婚活 斉藤正美
1 官製婚活がいつから始まったのか
2 どうして官製婚活政策が広がったのか
3 官製婚活は、いまどうなっているのか
4 今後、何が広がっていくか
第4章 自民党改憲草案二十四条の「ねらい」を問う 若尾典子
1 日本国憲法二十四条への攻撃
2 改憲草案前文と「家族保護」規定
3 改憲運動にとっての改憲草案二十四条の役割
4 世界人権宣言十六条との比較
終章 イデオロギーとしての「家族」と本格的な「家族政策」の不在 伊藤公雄
1 家族の自立と家族の保護
2 イデオロギーとしての「家族主義」
3 「家族主義」のパラドクス
4 家族教育支援法
5 「家族は一体イデオロギー」と親子断絶防止法
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