A5判 288ページ 並製
定価 3000円+税
ISBN978-4-7872-3411-7 C0036
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2017年01月 書店発売日 2017年01月30日 登録日 2016年11月30日
「POSSE(ポッセ)」 | |
「信濃毎日新聞」
評者:山本圭 |
移民、難民、テロ、犯罪、ヘイトスピーチ――国内外の具体的事例と現場を「越境」と「想像力」という視点から読み解き、そこに潜む問題性を浮き彫りにする。社会的分断を乗り越えるために、私たちの想像力をバージョンアップするアクチュアルな成果。
貧困や格差の拡大、テロ/人種差別といった剥き出しの暴力と排外主義の台頭、他者へのバッシング……グローバル化を背景に国境を越えて再編される現代の越境社会は、いま様々な場面で分断を抱えた危機的状況にある。
移民、難民、テロ、犯罪、ヘイトスピーチ、多文化共生、福祉財政、災害被災地――国内外の具体的事例と現場を「越境」と「想像力」に着目しながら読み解き、そこに潜む問題性を浮き彫りにする。他者と対話し理解しようと努める人びとの営みを「越境的想像力」と位置づけ、他者の経験を想像力によって自身のリアリティーに取り込む重要性を指摘する。社会的分断を乗り越えるために、私たちの想像力をバージョンアップするアクチュアルな成果。
世界を再想像する テッサ・モーリス=スズキ
解題 他者と出会いなおし、世界を想像しなおす 塩原良和
序章 越境的想像力に向けて 塩原良和
1 共感と想像力
2 社会学的想像力と歴史的想像力
3 ナショナルな想像力の限界
4 社会階層と想像力の制約
5 リアリティの分断とスティグマ化
6 想像力を「越境」させる
7 本書の構成
第1章 越境者・媒介者・コスモポリタンをめぐるリアル・ユートピア――長野・宮城・バンクーバーにおける移住者たちのトランスナショナリズム 西原和久
1 日本農村にみられる越境者――交流の諸相と媒介者の発見
2 震災被災地・宮城の越境者たち――外国人被災者と媒介者
3 出移民と媒介者たち――オイジンとカナダ移民を中心に
4 多文化社会の再検討と媒介者の変容――国家主義を超えて
第2章 民間外交と移民――戦間期の日米経済人交流を事例として 辛島理人
1 移民のはじまりとしての開国
2 日本の民間経済外交
3 アメリカの排日運動
4 渋沢栄一の対米民間外交
5 パナマ運河の開通とサンフランシスコ万博
6 日米関係委員会
7 排日移民法
8 その後
第3章 移民史と海事史を越境する――二十世紀初頭のアメリカ諸港における日本海員の「脱船」を事例として 栢木清吾
1 渡米手段としての脱船
2 日本の出国管理を潜り抜ける海員の移動
3 脱船の防止策と失敗
第4章 「避難民」としての越境――神戸の白系ロシア人の事例から 中西雄二
1 白系ロシア人を取り巻く情勢と諸制度
2 神戸の白系ロシア人社会の形成
3 就業状況と日本社会との関わり
4 戦後の白系ロシア人社会
第5章 コロニアル・クリミナリティの系譜学――韓国・朝鮮人への蔑称から探る「継続する植民地主義」 ジョエル・マシューズ[鈴木弥香子訳]
1 日本で作られた「朝鮮学」
2 日本宗主国への「転移」
3 日本の統計学の発展と「不逞鮮人」言説
4 ポストコロニアルな空間に残存する植民地主義
第6章 反知性主義、未決性、互酬性から希望へ――ヘイトスピーチでの「分断」から考える 川端浩平
1 ヘイトスピーチの現場から見えてくる奇妙な三角関係
2 ヘイトスピーチと「分断」
3 ストリートから消え去った者たちの現在
4 反知性主義に向き合うことから見えてくる未決性と希望
第7章 反税運動と移民排斥運動にみる福祉ショービニズム――デンマークにおける「租税同意」の歴史的経緯から考える 倉地真太郎
1 「納税者の反乱」から「移民排斥運動」への文脈
2 地方財政と多様なニーズ
第8章 風刺と宗教――ポスト世俗化時代のデモクラシー 清水知子
1 揺れる欧州、回帰する神々
2 世俗主義の系譜とその破綻――問いなおされる公共圏
3 変貌する戦争とテロリズム
4 狂信者とは何者か――寛容と暴力の行方
5 文化の翻訳と赦し
第9章 多文化共生概念が「禁止」するもの――ブラジル人集住地区のリアリティ 山本直子
1 X地区とブラジル人
2 エスニック・コミュニティの役割の変化
3 多文化共生の名のもとで
第10章 「根のあるコスモポリタニズム」へ――グローバル化時代の新たな試練と希望 鈴木弥香子
1 なぜコスモポリタニズムは再び注目されたのか
2 「根のないコスモポリタニズム」?
3 コスモポリタニズムが抱える歴史的・文化的問題性
4 「根のあるコスモポリタニズム」
第11章 阪神・淡路大震災を「想像し続ける」歴史実践のために――「一九九五年生まれ」の空間性と帰属感覚 稲津秀樹
1 阪神・淡路大震災の空間と神戸・長田の「土壌」
2 軌跡の可視化と不可視化の間――復興まちづくりのなかで
3 「一・一七のつどい」を行き交う軌跡の渦へ
4 「一九九五年生まれ」の空間性と帰属感覚――まとめにかえて
あとがき――もうひとつのまえがき 稲津秀樹
品切れ・重版未定
送料無料162-0801 東京都新宿区山吹町337
電話:03-3268-0381
ファクス:03-3268-0382
●会社案内 ●購入案内 ●プライバシーポリシー ●特定商取引法に基づく表示
●特約店一覧
●リンク
掲載している文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。それ以外のものと青弓社社員によるものの著作権は株式会社青弓社にあります。