四六判 288ページ 上製
定価 3000円+税
ISBN978-4-7872-3389-9 C0036
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2015年05月 書店発売日 2015年05月23日 登録日 2015年04月22日
「死別」への社会学のアプローチ方法を整理したうえで、「配偶者との死別と再婚」「介護と看取り」「いじめ自死」といった具体的な事例を、インタビューや各種データに基づいて読み解く。個人と社会が死別という経験とどう向き合ってきたのかを浮き彫りにする。
序章 「死別の社会学」とは何か 澤井 敦
1 「死の社会学」と「死別の社会学」
2 個人の悲嘆、社会の哀悼?
第1部 「死別の社会学」の理論的構図
第1章 イギリスにおける「死別の社会学」の展開――トニー・ウォルターの議論を中心に 鷹田佳典
1 悲嘆の多様化?――『死の復興』を中心に
2 死者の社会統合と悲嘆の統制――『死別について』を中心に
3 イギリスにおける「死別の社会学」の動向
第2章 リキッド・モダン社会のなかの死別 澤井 敦
1 死別と不安
2 リスク管理と死別
3 消費社会と死別
4 個人化される悲嘆
第2部 家族関係のなかの死別
第3章 闘病記に現れる死別――悲嘆とレジリエンス 門林道子
1 悲嘆研究について
2 レジリエンスについて
3 闘病記に現れる死と死別
4 妻に現れた死
5 夫にみる死
6 死別――どう直面し、乗り越えたか
7 悲嘆とレジリエンス
第4章 配偶者との死別と再婚 有末 賢
1 二重の喪失――配偶者と結婚という地位
2 死別後の再婚意志の条件――ステップファミリーの研究
3 死別と再婚――感情社会学的自己再帰性
4 再婚しないケース――Fさんの事例
5 再婚後のライフストーリー
6 グリーフと再婚との両立と葛藤
第3部 死別体験の社会的様相
第5章 「人称態」による死の類型化・再考――多様な死・死別のあり方に向き合うために 水津嘉克
1 「死別」を社会学的に分析する視点
2 「人称(態)」と「死」と「死別」
第6章 死別体験をとらえる視線 米田朝香
1 心的外傷後の成長に着目した研究
2 死別体験後の悲しみと向き合う大学生の事例と考察
第7章 夢に寄り添う――ある死別の語りとその多声性 鈴木智之
1 ある(ありふれた)死別体験の語り
2 Bさんの生活史と母親の介護・死別までの経緯
3 〈声〉と〈物語〉――語りの多層性をめぐる分析視点
4 振り返る〈声〉――ケアをめぐる道徳的葛藤の語り
5 持続する〈声〉――母親との日常生活の継続をめぐる語り
6 身体化された〈声〉――Bさんの身体症状とその回復をめぐる語り
7 回帰する〈声〉――夢に寄り添う語り
8 〈物語〉の多層的な継続――不在の人と共にあるために
第4部 社会現象としての死別
第8章 第三人称の死と関わる 中筋由紀子
1 ある写真をめぐって
2 第三人称の死とは何か?
3 親密圏のなかの違和
4 ニュースのなかの死
5 第三人称の他者とのアイデンティティーをめぐる闘争
6 無関心という鎧の裂け目
7 あなたは私だったかもしれない――ベン・シャーン『ラッキードラゴン』から
8 「遠隔地の苦しみ」から「道徳的関与」へ
9 第三人称の他者との関わりを取り戻す
第9章 子どもの死について語るときに大人たちの語ること――いじめ自死と少年凶悪犯罪をめぐる言説の三十年 小谷 敏
1 「いじめの誕生」
2 「死のタブー化」を超えて?
3 「死別の政治化」のほうへ
4 錯綜する子どもイメージ
5 子どもと社会の死と再生――宮部みゆき『ソロモンの偽証』を読む
あとがき 有末 賢
品切れ・重版未定
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