福井 令恵(著)
A5判 338ページ 並製
定価 4000円+税
ISBN978-4-7872-3387-5 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月 2015年03月 書店発売日 2015年03月31日 登録日 2015年03月13日
「話してもわかりあえない」者同士が同じ場所で暮らすとき、コミュニティをどう作り上げるのか――北アイルランド紛争後のベルファストをフィールドワークして、住民が描く壁画がコミュニティの記憶とつながりを支える機能を果たしていることを照らし出す。
はじめに
第1章 北アイルランド紛争後社会と壁画――本書の目的と意義
1 他者との〈共生〉と北アイルランド紛争後社会
2 なぜ壁画なのか
3 集合的記憶への接近
4 外部者である調査者(私)の調査地への接近
第2章 北アイルランドという場――フィールドの政治・社会背景
1 北アイルランドに関する前提――用語の問題について
2 北アイルランド紛争・和平へのプロセス
3 ベルファストの空間的概況
第3章 北アイルランドの壁画の歴史と壁画研究――先行研究から明らかにされたこと
1 壁画の歴史
2 壁画研究の歴史
3 本書の方法
第4章 壁画の表象における顕在と不在――何を記憶し、訴えるのか
1 ベルファストの壁画数と題材
2 カテゴリーとその特徴
第5章 壁画のイメージの流通――イメージは、コミュニティでどのように受け継がれ、共有されていくのか
1 壁画の題材はどう表現されるのか
2 イメージの流通と共有
3 イメージの素材(引用元)/ 題材と場所
第6章 観光と社会統合とローカル・コミュニティ
1 北アイルランド・ベルファスト市の観光(限られた空間での、痕跡の強調という方針)
2 都市空間のイメージ――都市の無徴化を目指す政策
3 ローカル・コミュニティの実践――壁画には、どのような変化があったのか/なかったのか
第7章 二つのコミュニティ――和解プロジェクトに見る可能性と限界
1 和解の壁画――『ゲルニカ』プロジェクト
2 「文化」と政治――対立の記憶の表象と題材の困難
第8章 壁画と紛争経験の表象
1 絵という形態が作り出す共同性
2 文化による対話と対立
3 「別の対話モデル」――言い合う、ということがもたらすもの
おわりに
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