佐藤 成基(著)
四六判 320ページ 並製
定価 1800円+税
ISBN978-4-7872-3380-6 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月 2014年12月 書店発売日 2014年12月24日 登録日 2014年10月27日
国家とはどういう集団で、どういった機能をもち、社会や経済、政治、私たちの生活とどういう関係にあるのか。「国家とは何か」という基本的な疑問からナショナリズム・社会福祉・グローバル化といった現代的な課題までをレクチャーする概説書。読書案内つき。
はじめに――なぜ、「国家」なのか
第1章 国家とは何か――その能力と作用
1 国家の能力
2 国家の作用
3 「悪魔との契約」
第2章 国家と暴力
1 暴力と法的秩序――マックス・ヴェーバーの国家論
2 「文明化」と暴力
3 暴力は野蛮か
第3章 国家と官僚制
1 「合理的支配」としての官僚制
2 官僚制と国家形成
3 官僚制の限界
第4章 国家と戦争――国家形成における軍事的・財政的要因
1 戦争と国家形成――チャールズ・ティリーの歴史社会学
2 徴税と国家形成
3 国家の集権化――「間接統治」から「直接統治」へ
[補論] 「軍事・財政モデル」への批判
第5章 国家と正当性――「象徴暴力」と公共性
1 国家の正当性
2 象徴暴力としての公共性
3 官僚制国家と公共性――ピエール・ブルデューの歴史分析
4 もう1つの公共性――官僚から「民」へ
第6章 国家と社会――社会の「国家帰属化(ルビ:ナチュラライゼーション)」
1 「国家と社会」という問題
2 市民生活への介入――軍事国家から民事国家へ
3 社会の「国家帰属化(ルビ:ナチュラライゼーション)」
4 領域国家から国民国家へ
第7章 国家と統計(学)
1 国家の情報収集と管理
2 統治技法としての統計(学)
第8章 国家とナショナリズム
1 ナショナリズムの発生――国家論的説明
2 ナショナリズムと国家の正当化
3 国家とエスノ文化的異質性
第9章 国家と資本主義経済
1 国家と資本主義経済
2 マルクス主義の国家論
3 資本主義国家の発展――国家の「相対的自律性」
4 資本主義国家は「資本家階級のための国家」なのか
[補論] 父権制国家論について
第10章 国家と民主主義
1 「民主主義的な国家」とは何か
2 民主主義のなかの国家――戦後アメリカの政治学理論
3 国家の能力を再考する――チャールズ・ティリーの民主主義論
第11章 国家と社会福祉
1 福祉国家の登場
2 福祉国家はなぜ発生したのか――3つのアプローチ
3 社会福祉制度の拡大
4 第2次世界大戦後の福祉国家
第12章 国家のグローバル化
1 国民国家の波及――ローカルからグローバルへ
2 国民国家の制度的同型性――新制度主義の視点
3 土着化の困難
第13章 脱植民地化と「崩壊国家」――アフリカ国家論の観点から
1 アフリカの「新家産制国家」
2 植民地国家からポスト植民地国家へ
3 「アフリカ」という要因
第14章 グローバル化のなかの国家
1 国家の「後退」?
2 国家再考――グローバル化論批判から
3 国家は消滅しない
第15章 国家の現在、国家の将来
1 「国家の変容」研究――機能から国家を問う
2 グローバル化とセキュリティ不安
おわりに――多形体的実在としての国家
あとがき
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