岩渕 功一(編著)
A5判 300ページ 並製
定価 3000円+税
ISBN978-4-7872-3371-4 C0036
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2014年02月 書店発売日 2014年02月16日 登録日 2014年01月17日
日本で〈ハーフ〉はどのような存在なのだろうか。戦前から戦後に〈ハーフ〉がたどった歴史、映画・雑誌・マンガでの描かれ方、当事者たちへのインタビュー、といった素材や視点から、〈ハーフ〉が直面する差別の構造やカテゴリー化の文化政治を明らかにする。
序 章 〈ハーフ〉が照らし出す人種混淆の文化政治 岩渕功一
1 〈ハーフ〉とは誰か?
2 近代日本における人種混淆と「日本人」の構築
3 〈混血〉と〈ハーフ〉のメディア表象
4 言説と表象が不可視にするもの、捉えきれないもの
第1部 「ハーフ」言説の歴史的検証
第1章 日本における人種・民族概念と「日本人」「混血」「ハーフ」 河合優子
1 人種と「人種」
2 フォルク、ネイション、「民族」
3 エスニシティー、「民族」、単一民族神話、日本人論
4 戦後における「民族」概念の変容と「混血」「ハーフ」
第2章 ミックス・レースはどう語られてきたか――「ハーフ」にいたるまでの言説をたどって 堀口佐知子/井本由紀
1 明治から戦前における「混血」報道――美しさと犯罪の象徴
2 「混血」をめぐる学術論争
3 戦争の落とし子としての「混血児」
4 「日比混血児」「国際児」「ダブル」――当事者側からの声
5 「アメラジアン」
6 ミックス・レースは今後どう語られるか
第2部 「混血/ハーフ」をめぐる表象
第3章 戦後日本映画における〈混血児〉〈ハーフ〉表象の系譜 高 美哿
1 戦前・戦中期の混血児表象
2 占領と混血――敗戦・基地の落とし子としての混血児
3 一九八〇年代以降の〈混血〉〈ハーフ〉の表象
第4章 〈ハーフ〉の身体表象における男性性と人種化のポリティクス 山本敦久
1 問題の所在
2 「混血児」/〈ハーフ〉の表象――人種/ジェンダー/セクシュアリティのポリティクス
3 「伊藤リオン」の身体表象
4 現代における〈ハーフ〉の男性性
第5章 少女マンガにおける〈ハーフ〉キャラクターの表象 田中東子
1 マンガと〈マイノリティー〉の研究
2 日本の少女マンガと〈ハーフ〉表象の歴史
3 「絵柄」「台詞」「設定」などに見る〈ハーフ〉キャラクターの役割
4 少女マンガにおける〈ハーフ〉キャラクターの表象と課題
第3部 日系人の国際移動と人種混淆の商品化
第6章 「ハーフ」になる日系ブラジル人女性 渡会 環
1 「ハーフモデル」を作り上げる――「日本人化」「白人化」「ブラジル人化」と「非日系ブラジル人化」の調整
2 「ハーフモデル」「ハーフ」のイメージと交渉する
第7章 カバー・シンガー:ジェロ――日本の混血児 クリスティーン・ヤノ
1 ジェロのステージ、一人のアフリカ系アメリカ人演歌歌手として
2 ヒップ・ホップ演歌――日本でジェロを(ネイバー)フッドにする条件
3 「フッド」の刷新――カバー歌手としてのジェロ
4 模範的日本人としてのジェロ
5 ジェロによる結節点の封じ込めとそれへの挑戦
第4部 表象を超えて
第8章 〈ダブル〉がイシュー化する境界域――異なるルーツが交錯する在日コリアンの語りから 川端浩平
1 ダブルという帰属意識をめぐる戦術
2 ダブルをめぐる多様な戦術と葛藤
3 ダブルというカテゴリーの彼方へ
第9章 〈ハーフ〉というカテゴリー化に関する〈当事者〉への聞き取り調査
1 〈ハーフ〉の定義について
2 〈ハーフ〉と呼ばれることについて
3 〈ハーフ〉以外の名称について
4 〈ハーフ〉としての差別的な経験について
5 〈ハーフ〉との交渉そしてエンパワメントについて
6 最近のメディアにおける〈ハーフ〉タレントや肯定的な〈ハーフ〉イメージについて
7 最近の周囲の変化、社会の変化について
8 〈ハーフ〉という共感について
9 日本を多様な差異を包含する社会にするためには
付 録 現代日本の若者が抱く「ハーフ」に対するイメージ――大学生への質問紙調査から 監修:原 知章
1 回答者の基本的属性
2 若者の「ハーフ」イメージ
あとがき 岩渕功一
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