青弓社ライブラリー 69
社会一般
浅見 克彦(著)
四六判 226ページ 並製 定価 1600円+税 ISBN978-4-7872-3327-1 C0336 品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2011年05月 書店発売日 2011年05月22日 登録日 2011年05月18日
押井守監督が映画化したSF作品を取り上げ、物語的な謎の解明に注力しながら「〈わたし〉の固有性のゆらぎ」「未来を奪われた存在」「生と死のありよう」などを読み解く。そのうえで、「別の自己像へのしなやかな流転」というSFがもつ魅力の核を析出する。
はじめに 第1章 「ゴースト」の虚空と「余剰」の精神――『攻殻機動隊』 1 「電脳化」と自己への懐疑 2 「ゴースト」の裂け目――人間の精神に独自なもの 3 「ささやくゴースト」――内実なき「空虚」? 4 「私」の固有性の根拠は何か――素子の不安 5 「自分が自分であるために必要なもの」――「信」の次元 第2章 自我の「嘘」とキルドレの闇――『スカイ・クロラ』 1 空を舞う歓びとアイデンティティの不安 2 「自分の中の無が見える」――「子ども」であるということ 3 「暗い場所。赤い光」――「現在」を永遠に反復する存在 4 ディスク・オルゴールの響き――おぞましさはどこからくるのか 5 「未来の予感」を奪われた自己――時間的な存在の融解 6 「死」のイメージを背負うキルドレ 第3章 人形の謎と人間の真実――『イノセンス』 1 「死体としての人形」――人間性への懐疑 2 「死」を予感させる鏡像――真実の魅力 3 分身の不気味さ――ドッペルゲンガーが明かすもの 4 主体の「死」に魅せられる人間――「人形化願望」 5 「からっぽ」な人形の美しさ――『空気人形』 終章 揺らめく自己、想像の漂流 参考文献一覧 あとがき
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