岩上 真珠(編著)
A5判 208ページ 並製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-3320-2 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月 2010年11月 書店発売日 2010年11月22日 登録日 2010年11月15日
青年期から成人期への移行は就職や結婚が転機だと考えられてきたが、経済格差や社会構造の変化、若者の意識変容を背景に自立の意味が大きく変わってきている。統計データから若者と親子関係の実態を把握し、「大人になること」が多様化している現状を照らす。
序章 未婚期の長期化と若者の自立 岩上真珠
1 若者「論」の展開
2 ライフコース論における「成人期への移行」あるいは「成人への移行期」
3 「ポスト青年期」の登場の意味──研究の経緯
4 親子関係における自立──本書のねらい
第1章 戦後日本の成人期への移行の変容 安藤由美
1 成人期への移行へのライフコース・アプローチ
2 成人期への移行過程の出生コーホート間変化
3 離家の共時性にみる成人期への移行の階層差
4 成人期への移行と社会変動──高度成長期移行モデルの成立とその条件
5 高度成長期移行モデルからの脱却と移行の近代化
6 若者の成人期への移行の未来に向けて
第2章 若者の親子関係とその経済的背景にみるジェンダー 中西泰子
1 親子とお金の間に介在するジェンダー
2 相互交流からみる親子関係
3 団塊ジュニアの「脱(ポスト)青年期」
4 家事参加を通した家族との関わり
5 親との共時行動
6 性別分業構造を反映する若者の親子関係
第3章 未婚者のサポート・ネットワークと自立 田中慶子
1 20代若者にとっての親と友人・恋人
2 情緒的サポートネットワークと精神的自立意識
3 親子関係のなかでの自立、対人関係のなかでの自立
第4章 親との同居と自立意識──親子関係の‘良好さ’と葛藤 米村千代
1 同居と自立に関する枠組み
2 同居している若者の親子意識
3 ‘良好さ’の条件
4 若者にとっての同居と自立の関係
第5章 移行期における空間的距離と親子関係──近代的親子関係の再考 嶋崎尚子
1 移行期における親との空間的距離の意味
2 大卒後の地理的移動と親との空間的距離
3 大卒直後の空間的距離と親子関係
4 30歳時点での空間的距離と親子関係
5 親子関係における自立の再考に向けて
第6章 育児期の女性への親からの支援──結婚は「自立」の指標となりうるか? 澤口恵一
1 親への移行における支援への期待
2 親からの支援とその非対称性
3 移行における計画性
4 移行の戦略性と移行の難易
5 結婚は自立の指標でありえるか
第7章 地域のなかの親と子 佐藤友光子
1 後期青年期の親子関係の地域性をめぐって──問題提起
2 データの源泉および対象地域の特性
3 祖母世代・母親世代の仕事と家族──歴史的・文化的文脈の検討
4 地域における後期青年期の親子関係
5 母親たちの語りにみる地域の親子関係
第8章 ハイ・モダニティ時代の若者の自立──リスク社会のなかで 岩上真珠
1 大人になる道筋の変容
2 10年間の変化(1991─2001年)
3 親子関係における地域差・階層差・ジェンダー差
4 若者の「自立」の相貌
5 リスク社会で大人になること──まとめにかえて
各調査概要
あとがき 岩上真珠
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