吉田 司雄(編著)
四六判 268ページ 並製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-3297-7 C0036
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2009年02月 書店発売日 2009年02月23日 登録日 2010年02月18日
UFO、宇宙人、秘境、ニューエイジ、超古代史論争、土偶=宇宙人説……。1980年代、高度成長を背景にオカルトはテレビや雑誌などに取り上げられ、人々の心を引き付けていた。それらブームを取り上げて怪異現象の魅力を解説し、80年代の日本の熱狂に迫る。
はじめに 吉田司雄
第1部 オカルトの水脈――一九六〇年代から八〇年代へ
第1章 美しい地球の〈秘境〉――〈オカルト〉の揺籃としての一九六〇年代〈秘境〉ブーム 飯倉義之
1 一九六〇年代の〈秘境〉と「学術調査」
2 大衆娯楽としての「海外学術調査」
3 〈秘境〉をつくった男たち
4 “書斎の探検家”の〈秘境〉の歩き方
5 〈秘境〉はあなたの心の中に――オカルトから精神世界へ
第2章 オカルト・ジャパンの分水嶺――純粋学問としての人類学からの決別 金子 毅
1 オカルトの揺籃としての人類学
2 共振するオカルトと探検
3 蜜月状態とその解消
第3章 邪馬台国と超古代史 原田 実
1 新たなる志向
2 「帝国」の逆襲
3 時代の帰還
4 見えざる脅威
5 苦労な攻撃、地図の復習
第2部 地球の午後――一九八〇年代オカルトの地平
第4章 デニケン・ブームと遮光器土偶=宇宙人説 橋本順光
1 古代宇宙飛行士飛来説=宇宙考古学の系譜
2 遮光器土偶=宇宙人説
3 ポピュラー・カルチャーのなかの「宇宙考古学」
第5章 シャンバラへの旅――八〇年代日本の危うい夢 宮坂 清
1 アガルタの首都シャンバラ
2 多彩な表象
3 チベットに回帰するシャンバラ
4 精神世界の救世主へ
5 チベット人ディアスポラとカーラチャクラ
第6章 台湾のオカルト事情 伊藤龍平
1 『小叮●(口偏に當)』と『●●(口偏に多+口偏に拉)A夢』
2 日本文化がオカルトであった時代
3 トンデモ本的思考
第7章 バブルとUFO 谷口 基
1 「SF元年」と八〇年代日本の「UFO熱」
2 救世主(ルビ:メシア)としての宇宙人像――『大予言』とともに
3 良き隣人としての宇宙人――〈癒し系〉の先蹤
4 UFOアブダクションと性的妄想
5 恋人としての宇宙人――〈宇宙エロティシズム〉、その後の展開
第3部 日常化するオカルト――一九八〇年代から九〇年代へ
第8章 児童虐待とオカルト――一九八〇年代女性週刊誌における猟奇的虐待報道について 佐藤雅浩
1 「児童虐待」報道の戦後史――一九八〇年代後半の記事数の増大
2 一九八〇年代後半の猟奇的な海外の虐待報道
3 隠された児童虐待の系譜――悪魔儀礼虐待と悪魔カルト
4 日本での児童虐待問題の変容
5 一九八〇年代後半の女性週刊誌というメディア空間――児童虐待報道とオカルト記事の交錯
第9章 かくも永き神の不在に、セカイを語るということ 小林 敦
1 不可触なる中枢
2 ある王の死と偽王の死と
3 《物語》進化論
4 世界の終りのアンダーグラウンド
5 《物語》は続く
第10章 カリフォルニアから吹く風――オカルトから「精神世界」へ 一柳廣孝
1 オカルトブームと「科学」の揺らぎ
2 ニューサイエンスという「思想」
3 八〇年代の新宗教と日本の雑誌メディア
4 カリフォルニアから風が吹く
ネス湖への旅は終わらない――あとがきにかえて 吉田司雄
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