飯田 祐子(編著) / 島村 輝(編著) / 高橋 修(編著) / 中山 昭彦(編著)
A5判 292ページ 並製
定価 3000円+税
ISBN978-4-7872-3296-0 C0036
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2009年02月 書店発売日 2009年02月22日 登録日 2010年02月18日
「子ども」が少女と少年とに切り分けられたとき、何が起こったのか――。文学作品・読み物・雑誌・マンガに現れる少女少年の描かれ方を追跡して、メディアが「少年」や「少女」を生成するさまをつぶさに描き出し、少女少年表象の政治性を照らす。
はじめに 吉田司雄
第1部 明治前期における「少女」「少年」の生成
「女子の悲哀に沈めるが如く」――明治二十年代女子教育にみる戦略としての中世文学 榊原千鶴
1 落合直文の戦略
2 『家庭教育歴史読本』
3 「静」という表象
4 抗う力――「文学界」を手がかりに
「家庭の天使」としての子ども――若松賤子訳『小公子』のジェンダー 高橋 修
1 新しい神話『小公子』
2 『小公子』のジェンダー
3 聖家族『小公子』
科学読み物と近代動物説話 吉田司雄
1 理科少年の誕生
2 動物読み物と観察者の眼差し
第2部 昭和モダニズムの変容と表象戦略
遊歩する少女たち――尾崎翠とフラヌール 飯田祐子
1 フラヌール・銀座
2 模倣と自己離脱
3 墜落する歩く女
4 ステッキガール
5 尾崎翠の歩くこと
教室の社会関係――日本と植民地時代の朝鮮半島における革命的児童の文学表象 サミュエル・ペリー[島村輝訳]
1 村山籌子「健康な女の子」とブルジョア的「知能」観の批判
2 姜敬愛「月謝金」と植民地朝鮮の自主的教育運動
「少女」たちの「語り」のゆくえ――豊田正子『綴方教室』と太宰治「女生徒」 中谷いずみ
1 綴方の「語り」と舞台版『綴方教室』
2 鑑賞される「生地のよさ」
3 「女生徒」のセクシュアリティ
4 「からつぽ」な〈少女〉と太宰治の「青春」
第3部 総力戦期におけるメディアと子ども
少女小説から従軍記へ――総力戦下の吉屋信子の報告文 久米依子
1 少女小説の戦略
2 総力戦と女性従軍作家の登場
3 「女性幼児虐殺」の現場
4 仮構される連帯
5 「共存共栄」の不可能性
「週刊少国民」における詩と写真の欲望 坪井秀人
1 「週刊少国民」の成立とその性格
2 大正期自由主義との切断/連続
3 詩の言葉とヴィジュアリティ
断種と玉体――国民優生法と齟齬の〈帝国〉 中山昭彦
1 国民優生法の成立過程
2 家族国家観の干渉
3 断種と家族国家観の齟齬
4 玉体と国民の身体の接近
5 『国体の本義』と『臣民の道』
6 ベストセラーの内部に胚胎する齟齬
7 家族国家観と齟齬
8 家族国家観と生政治
第4部 現代マンガとジェンダーの最前線
愛を告げる者――萩尾望都の作品における〈鏡〉の機能 生方智子
1 『半神』『イグアナの娘』――愛とジェンダーの葛藤
2 『トーマの心臓』――〈子ども〉たちの愛
ぬけだすからだ――『最終兵器彼女』の世界構築と身体の変容 横濱雄二
1 不連続な世界
2 秩序と無秩序
3 彷徨と二項対立
4 聖なる恋愛
5 恋する身体
6 ぬけだすからだ
7 新たな平面へ
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