日本学叢書 2
荻野 美穂(編著)
A5判 312ページ 上製
定価 3400円+税
ISBN978-4-7872-3293-9 C0339
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2009年01月 書店発売日 2009年01月18日 登録日 2010年02月18日
天皇家族写真、和服や男性美をめぐる論争、大正期のインターセックスの語られ方、戦時下の「ミス・ニッポン」の身体イメージなどの多様な事例から、〈性〉や〈身体〉という連続体に裂け目を入れて分離しようとする社会的・政治的な力学を浮き彫りにする。
“世界のどこかで私を待っている人”へ――「日本学叢書」刊行にあたって 川村邦光
はじめに 荻野美穂
第1章 元旦紙面にみる天皇一家像の形成 北原 恵
1 天皇一族の写真――系譜と図像
2 何が、どのように、天皇一家像を可能としたか
第2章 和服改良論と「女性美」――明治後期の女性の服装とその規範性をめぐって 小山有子
1 和服を改良する理由
2 提案としての改良和服――野中千代子の改良服案
3 試みとしての女学校制服――実践女学校の校衣
4 女は美が命
5 迷走する改良論
第3章 文明化と〈男らしさ〉の再構築――一九一〇年代の「廓清」にみる性欲論 林 葉子
1 性欲を抑制する意志の力――「男の男たる最大の所以」
2 「文明的人類」の条件
3 性欲抑制と「人種改良」
第4章 一九二○年の「男性美」――「日本及日本人」の誌面から 荻野美穂
1 一九二○年という時期
2 「日本及日本人」と「女性日本人」
3 「男性美」特集号
第5章 『半男女考』――宮武外骨と大正時代の両性の接近 テレサ・アルゴソ
1 身体の分類、精神の分類
2 性と身分の安定化
3 性の接近
第6章 日本初のサイボーグ?――ミス・ニッポンと優生学と戦時下の身体 ジェニファー・ロバートソン[荻野美穂訳]
1 血
2 身体
3 美
4 ミス・ニッポンの退場、日本女性の登場
第7章 M検の言説史・戦後篇――あるいは男性身体の〈侵襲的〉経験はどのようにして忘却されるか 澁谷知美
1 侵犯される男性身体
2 「人権侵害」としてのM検
3 ゲイ・ポルノの題材としてのM検
第8章 “娘”をめぐる欲望――宝塚の娘役についての一考察 松本理沙
1 “娘”とは何か?
2 “娘”の誕生と広がり
3 縮小していく“娘”
4 “娘”をめぐる欲望
第9章 まだ始まっていないこと、あるいはノラの奇蹟について 冨山一郎
1 ノラについて
2 ノラたちの政治、あるいは奇蹟について
3 主婦
4 「婦人問題研究会」
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