高橋 準(著)
248ページ 並製
定価 1600円+税
ISBN978-4-7872-3234-2 C0036
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2004年07月 書店発売日 2004年07月16日 登録日 2010年02月18日
空想的な創造でありながら、同時に現実社会と対峙し批評するファンタジーという世界。作品を成立させるしくみである「男装の麗人」「戦う女性」「家族」を軸に、そこに織り込まれた現実のジェンダー関係やセクシュアリティにとってのオルタナティブを読み解く。
はじめに
第1章 迷宮の地図を描く──ファンタジーをどう読むか
1 ファンタジーとは何か 多種多様なファンタジー ファンタジーというジャンル ファンタジーのサブジャンル 戦後日本ファンタジー小史
2 ファンタジーをどう読むか 「空想的なもの」の成り立ち ファンタジーと社会的現実 ジェンダーの問題 「読み解く力」を養うこと 「フェミニスト・ファビュレーション」としてのファンタジー 想像力から創造力へ
第2章 「男装の麗人」たち
1 「男装の麗人」の類型学 ファンタジーのなかの「男装の麗人」 「男装」の意味 『リボンの騎士』のサファイア王子 『ベルサイユのばら』のオスカル 現代の「麗人」たち 「男装の麗人」の四類型
2 ファンタジーの「古典」における「男装の麗人」 『指輪物語』と「グイン・サーガ」 『指輪物語』──「盾持つ乙女」エオウィン 「グイン・サーガ」──「男装の麗人」諸類型の総登場 「男装の麗人」たちは孤立している
第3章 「戦う女性」たち
1 ファンタジー世界の「戦う女性」たち 「男装の麗人」から「戦う女性」へ 性暴力との戦い──マーセデス・ラッキー『女神の誓い』 男のいない女たち──ひかわ玲子「エフェラ&ジリオラ」 居場所を求めて──小野不由美「十二国記」の中嶋陽子 三つの作品の比較
2 女性たちはなぜ「戦う」のか 過酷な現実との戦い──アメリカ・ファンタジーの「戦う女性」 内面の葛藤──日本の「戦う女性」たちの内なる敵 個人からシステムへ──「戦う女性」という「しくみ」の試み
第4章 ファンタジーのなかの家族
1 散乱する家族──ファンタジー世界の家族像(1) 「家族」という問い 「ハリー・ポッター」と「ベルガリアード物語」──おとうさんがいっぱい 父の名、母の愛 複数化する父、単数の母
2 別種の家族──ファンタジー世界の家族像(2) 「パーンの竜騎士」──大巖洞と城砦の社会体制 「ダーコーヴァ年代記」──ポリガミーの要請 「十二国記」──特異なセックス/ジェンダー・システムと家族の構成原理
3 「開かれた家族」へ 「近代家族」の概念と現代ファンタジー 「近代家族」の抑圧的性格 ファンタジーのなかの家族の布置関係 現実の家族/ファンタジーの家族
4 家族をめぐる地図おわりに──そして、ジェンダーのファンタジーへ
付録 ファンタジー作品紹介
品切れ・重版未定
送料無料162-0801 東京都新宿区山吹町337
電話:03-3268-0381
ファクス:03-3268-0382
●会社案内 ●購入案内 ●プライバシーポリシー ●特定商取引法に基づく表示
●特約店一覧
●リンク
掲載している文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。それ以外のものと青弓社社員によるものの著作権は株式会社青弓社にあります。