青弓社ライブラリー　20

ブラスバンドの社会史 軍楽隊から歌伴へ

阿部 勘一（著） /　細川 周平（著） /　塚原 康子（著） /　東谷 護（著） /　高澤 智昌（著）

四六判 　248ページ　並製
定価　1600円＋税
ISBN978-4-7872-3192-5　C0336
品切れ・重版未定

奥付の初版発行年月　2001年12月
書店発売日　2001年12月19日
登録日　2010年02月18日

紹介

軍楽隊として戦意高揚に寄与したブラスバンドは、敗戦後は自衛隊や消防の吹奏楽、アメリカ軍駐留キャンプのジャズバンド、歌謡曲のバックバンド＝歌伴、そして学校のクラブ活動として、脈々と受け継がれている。聞き書きもまじえて、大衆音楽の変遷をたどる。

目次

まえがき　東谷　護

第１章　「ブラバン」の不思議──〈ブラスバンド〉の社会史をひもとく目的と視点　阿部勘一
　１　「ブラバン」の不思議
　２　再生産される「ブラバン」
　３　大衆音楽としての〈ブラスバンド〉
　４　〈ブラスバンド〉を論じるにあたって

第２章　世界のブラスバンド、ブラスバンドの世界　細川周平
　１　ブラスバンドの二面性
　２　植民地主義とブラスバンド
　３　ブラスバンドの世界
　４　日本のブラスバンドを比較して

第３章　軍楽隊と戦前の大衆音楽　塚原康子
　１　軍楽隊前史──幕末の鼓笛隊と喇叭
　２　陸・海軍楽隊の歩み
　３　軍楽隊の教育とレパートリー
　４　民間職業バンドの発生と展開
　５　アマチュアバンドの展開

第４章　歌謡曲を支えたブラスバンド　東谷　護
　１　それは「クラブ」から始まった
　２　時代を超えて鳴り響くブラス

第５章　バンドマン・高澤智昌のライフヒストリー　高澤智昌／阿部勘一／東谷　護
　１　戦前篇
　２　戦後篇

年表

あとがき

著者プロフィル

阿部　勘一（アベ カンイチ）

1971年、秋田県生まれ。名古屋大学経済学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。淑徳大学国際コミュニケーション学部専任講師。専攻は社会経済学。日本吹奏楽指導者協会会員・認定指導員。論文に「消費社会の中の〈情報〉」（「社会情報学研究」第５号）など。

細川　周平（ホソカワ シュウヘイ）

1955年、大阪府生まれ。東京芸術大学大学院音楽研究科博士後期課程修了。東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授。専攻は大衆音楽研究、近代日本音楽史。主著に、『レコードの美学』（勁草書房）、『シネマ屋、ブラジルを行く』（新潮選書）など。

塚原　康子（ツカハラ ヤスコ）

1957年、北海道生まれ。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業、同大学大学院音楽研究科博士後期課程修了。東京芸術大学助教授。専攻は近代日本音楽史。主著に『十九世紀の日本における西洋音楽の受容』（多賀出版）、論文に「明治前期の新しい音楽表現：賛美歌・唱歌・軍歌」（「昭和音楽大学研究紀要第19号」）など。

東谷　護（トウヤ マモル）

1965年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得満期修了。現在、早稲田大学文学部・成城大学文芸学部講師。専攻は音楽社会史、文化研究。主著に『日本におけるフォークソングの展開』（JASPMワーキングペーパー）、論文に「大衆音楽における表現の広がり」（『表現研究』）、「詞作の心を探る」（『ユリイカ』）など。

高澤　智昌（タカザワ トモマサ）

1922年生まれ。陸軍戸山学校卒業。日本放送吹奏楽団を経て、フルバンド「クラックスター」を結成、主宰。米軍横田基地の将校クラブの専属などを経て、服部良一事務所に所属。戦後を代表する歌手の伴奏をつとめる。作曲を山田耕筰に師事。社団法人日本楽劇協会理事、事務局長などを経て、現在、社団法人日本吹奏楽指導者協会関東甲信越支部長。

関連リンク

青弓社

上記内容は本書刊行時のものです。