青弓社ライブラリー 16
菅野 聡美(著)
四六判 240ページ 並製 定価 1600円+税 ISBN978-4-7872-3188-8 C0336 品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2001年08月 書店発売日 2001年08月01日 登録日 2010年02月18日
人々の関心がより内面的なものへと向けられていった大正期に登場した知識人たちは、明治に輸入・翻訳された「恋愛」に何を見たのか。厨川白村の恋愛結婚論をはじめ、いまは忘れられた大正知識人たちの恋愛論を主軸に大正恋愛論の可能性と帰結を考察する。
序章 なぜ大正期の恋愛なのか 1 恋愛は輸入思想なのか 2 恋愛スキャンダルから恋愛論ブームへ 第1章 元始日本に恋愛は存在しなかったのか 1 本気の恋の果ては心中 2 明治以前の性愛 3 明治国家の性の隠蔽化と知識人 4 文明開化の逆説第2章 北村透谷はなぜ死んだのか 1 恋愛=結婚の墓場論 2 「性欲」の欠落した恋愛論 3 情死にあこがれつつ一人死す 第3章 大正恋愛スキャンダルはどうなったのか 1 情死を見るまなざしの変化 2 浮気と多角関係への嫌悪 3 既婚女性の恋愛のゆくえ 4 大正情死考第4章 知識人は「恋愛」になにを見たのか 1 大正恋愛論成立事情 2 人生における恋愛の位置 3 霊肉一致の虚像 4 結婚は恋愛によるべきか否か 第5章 厨川白村はなぜ売れたのか 1 象牙の塔を出でて 2 恋愛を永続化させる法 3 恋愛が結婚に必要な理由 4 恋愛の名のもとに強まる抑圧第6章 女はなぜ恋愛論に参入しなかったのか 1 恋愛論と女の距離 2 私小説と女らしさの呪縛 3 切実だった生殖の壁 4 第二次恋愛論ブーム終章 恋愛論ブームのあとになにが残ったのか 1 大正恋愛論とはなんだったのか 2 結婚幻想の崩壊、そして恋愛はどこへいくのかあとがき
青弓社
品切れ・重版未定