八岩 まどか(著)
四六判 208ページ 上製 定価 2000円+税 ISBN978-4-7872-3102-4 C0039 品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 1995年03月 書店発売日 1995年03月01日 登録日 2010年02月18日
自然臭を排除し、香料や芳香剤に満たされた現代の生活空間──。しかし古来匂いは生きて匂い死して匂う、存在の証だった。悪霊を調伏する護摩の香りから死や病の匂い、悪臭公害までの「匂い史」をすくいあげ、ダイナミズムを検証する。
1 匂いの力(1)異界の存在 1 死の匂い、もののけの匂い 2 平安京に出された死体処理命令 3 人間の性を司る「匂いの神」(2)生活の匂い 1 匂いが語る身分 2 食物の匂いと効力 3 春の菖蒲、秋の菊 4 魔をよける糞尿の力(3)悪臭の発見 1 瘴気はなぜ恐ろしいか 2 糞尿が汚物となった時 3 便所の神様(4)異民族と匂い 1 外国人が嗅いだ日本人 2 肥溜めを恐れる異人たち2 匂いのコントロール(5)魔力を操作する 1 匂いと祈りの力 2 悪霊を寄せつけない香 3 心をとらえる匂い(6)匂いの薬効 1 薬であった香 2 憑き物を払う硫黄と芥子焼(7)体臭との闘い 1 聖人は身体が香る 2 体臭を芳しくする方法(8)匂いビジネスの発展 1 香りを売る商売 2 匂いの仕掛け人たち(9)臭いものの価値 1 肥料の生産工場となった便所 2 糞尿をめぐる新ビジネス 3 屎尿リサイクルシステムの崩壊(10)匂いの封じ込め 1 近代化のキーワード「衛生」 2 「衛生」という名の臭い狩り 3 衛生ブームの到来(11)「くさい」という言葉の衝撃 1 深夜の東京を襲った謎の悪臭 2 悪臭の元凶を生活から排除する 3 匂いとは何であるかの探究 4 人間から匂いが消える日参考文献
青弓社
品切れ・重版未定