歴史・地理
桑原 ヒサ子(著)
A5判 320ページ 並製 定価 3800円+税 ISBN978-4-7872-2105-6 C0020
書店発売予定日 2024年11月25日 登録日 2024年09月18日
ナチス・ドイツは、宗教的祝祭のクリスマスさえも国家的なプロパガンダとして利用していた――。 ナチス時代に家庭ではクリスマスをどう祝っていたのか。そして、民族共同体の強化の一環としてクリスマスはどう使われ、第2次世界大戦以降はそれが戦時プロパガンダへとどのように接続していったのか。 ナチス・ドイツは、ヨーゼフ・ゲッベルス指導のもと、ラジオ、映画、新聞・雑誌、書籍などのあらゆる大衆メディアを使ってイデオロギー宣伝を軸にしたプロパガンダを展開した。その一環として刊行された官製女性雑誌「女性展望」の記事と写真から、プロパガンダとしてのクリスマスの実情を描き出す。 クリスマスというレンズを通して映し出される、ナチス・ドイツが理想として宣伝した女性の社会活動、家庭や家族のあり方、銃後の生活を緻密に分析する。そして、プロパガンダに巻き込まれ、戦時下の激流に生きる当時の女性たちの姿を丁寧にすくい取る。 【目次】 第1章 政治宣伝に利用されるドイツのクリスマスのはじまり――一八七〇年から一九三〇年代初めまで 第2章 民族文化史的プロパガンダとしてのクリスマス――キリスト教の祝祭とゲルマン民族の冬至祭 第3章 家庭で祝うクリスマス 第4章 社会的・政治的プロパガンダに利用されるクリスマス