金賢貞(著)
A5判 280ページ 上製
定価 5400円+税
ISBN978-4-7872-2052-3 C0039
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2013年09月 書店発売日 2013年09月28日 登録日 2013年07月24日
茨城県の石岡の祭りに着目して、フィールドワークや聞き書きをもとに、商都から伝統の都へと移りゆくなかで積み重ねられる人々の協同と軋轢、そこから生まれる柔軟なローカル・アイデンティティーの実態に迫る。伝統と生きる日常実践を描く民俗学の成果。
序 章 地方文化から地方社会を考える
1 フィールドとの出合い
2 伝統という信念
3 都市祭礼という視座
4 ローカル・アイデンティティー
5 本書の構成
第1章 地方社会と近代化
1 茨城県石岡市
2 国府のまち「府中石岡」
3 近代とまちの変貌
4 歴史のまちへ
5 「歴史」を客体化する
第2章 昭和の郷土運動と郷土像の形成
1 「歴史の里」石岡
2 石岡史蹟保存会
3 石岡史蹟保存会と顕彰・保存運動
4 郷土と郷土史家たち
5 受け継がれる郷土像
第3章 無形民俗文化財と新たな民俗芸能の創出
1 文化財指定制度と民俗芸能研究
2 無形民俗文化財・石岡ばやし
3 石岡ばやしの誕生
4 文化財は人を格付けする
5 文化的パフォーマンスとしての民俗芸能
6 石岡ばやしが意味すること
第4章 地域史としての都市祭礼
1 都市祭礼の宗教性を支える
2 近代以前の常陸國總社宮大祭
3 近代と常陸國總社宮大祭――氏子のまつり
4 石岡のおまつりの誕生――市民のまつり
5 問われる「あり方」
6 都市祭礼の弁証法
第5章 都市祭礼のレーゾンデートル
1 常陸國總社宮大祭=石岡のおまつりの参加構造
2 常陸國總社宮大祭の年番町になる――青木町を通して
3 石岡のおまつりの非年番町になる――小川道町を通して
4 都市祭礼の担い手たち
終 章 現代日本社会のローカル・アイデンティティー
1 「伝統化」のロジック
2 外部世界とのコミュニケーションツールとしての都市祭礼
3 周縁化する地方社会を語る
参考文献
あとがき
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