越境する近代 10
鉄道と旅する身体の近代 民謡・伝説からディスカバー・ジャパンへ
野村 典彦(著)
A5判 564ページ 上製
定価 3400円+税
ISBN978-4-7872-2044-8 C0320
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2011年10月
書店発売日 2011年10月21日
登録日 2011年09月16日
紹介
近代日本で鉄道が全国に敷設されたとき、地域は煙をあげて驀進する乗り物をどう受け入れ、人々は車窓から風景をどういう思いで眺めたのか。民謡集や伝説集、案内記、旅行雑誌、広告などから鉄道と旅の想像力の歴史をたどり、身体感覚の変容を描き出す。
目次
序章 鉄道旅行と峠
第1部 旅と伝説――民謡・伝説から民話へ
第1章 民謡・伝説と旅する身体
1 鉄道旅行と蒐印
2 旅の思い出と民話集
第2章 民謡・伝説を〈たずねる〉身体
1 伝説に寄り添う身体
2 居ながらの旅と蒐集趣味、あるいは松川二郎
第3章 鉄道の想像力と民謡・伝説
1 路線や駅の想像力
2 〈男の旅〉と情話
第4章 名所と決別する柳田國男
1 近代の風景観と郷土研究
2 名所との決別としての「木思石語」
3 戦時体制と神話・伝説
第5章 「ディスカバー・ジャパン」の頃
1 旅・民話・心のふるさと
2 「民話=昔話・伝説・世間話」の認知
第2部 近代の風景観と身体感覚――移動する身体と地面との切断
第6章 車窓の風景と車内の出来事
1 車窓から「みる」
2 みること、かくこと
第7章 自動車が走る暮らし
1 暮らしのなかの風景
2 直線化する景観
第8章 移動する身体と危険回避の伝承
1 ガラス窓によって外界と切断された移動
2 地面と接する身体
第3部 鉄道とトンネルと口承――近代の暴力性を馴致する物語
第9章 鉄道忌避伝説あるいは鉄道を見守る稲荷
1 鉄道についての語り
2 鉄道の開業と狐の妨害
第10章 鉄道、あるいは旧道
1 地域を語る
2 地域を国を見渡す言葉、「科学といふものゝ知識」
初出一覧
あとがき
人名索引
事項索引
著者プロフィル