A5判 288ページ 上製
定価 3400円+税
ISBN978-4-7872-2041-7 C0020
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2010年12月 書店発売日 2010年12月20日 登録日 2010年12月14日
戦前と戦後を貫く昭和期という時代と、朝鮮・台湾・満蒙・対馬・北海道・沖縄・東京などの固有の場所を題材に、〈帝国〉日本の植民地へのまなざし=視角と見落とされてきたこと=死角とを明らかにして、メディアや学知と「帝国」の関係性をあぶり出す。
はじめに 坂野 徹/愼蒼健
1 「帝国の視角/死角」とは何か
2 本書の全体像
第1章 植民地衛生学に包摂されない朝鮮人――一九三〇年代朝鮮社会の「謎」から 愼蒼健
1 「謎」の発見と放置
2 「謎」の科学的排除
3 「謎」の解明と限界
第2章 大日本帝国の形質人類学を問い直す――清野謙次の日本民族混血論 アルノ・ナンタ
1 東京人類学会の人種交代説
2 混血論という妥協(一九二四―三二年)
3 『日本原人の研究』と「歴史的種族」
4 考古学から歴史学と優生学の支持へ
5 太平洋戦争期の清野論――民族至上主義か理論的総合か
第3章 智城の事情――近代日本仏教と植民地朝鮮人類学 菊地 暁
1 宗教人類学の形成
2 朝鮮・満蒙の巫俗調査
3 宗教の苦境と智城の事情
第4章 人類学者・泉靖一の〈戦後〉経験――朝鮮戦争・在日・済州島 坂野 徹
1 戦場の隣で――対馬調査
2 在日朝鮮人運動と人類学――東京での済州島人調査
3 「社会的緊張」と朝鮮人嫌悪――東京小市民の人種偏見調査
第5章 沖縄の地誌研究――占領期アメリカ人類学の再検討から 泉水英計
1 アメリカ人類学の沖縄研究
2 日本における沖縄研究
3 占領軍と研究者
第6章 小津安二郎と帝国史の方法――ひとつの(反)ポストコロニアル批評 與那覇 潤
1 天津から戻った男――『戸田家の兄妹』『風の中の牝鶏』『晩春』
2 大連に恋は消えぬ――『宗方姉妹』
3 京城は海のかなたに――『東京暮色』
第7章 「戦後」台湾での日本映画見本市――一九六〇年の熱狂と批判 三澤真美恵
1 日華両政府にとっての「日本映画見本市」
2 日本映画見本市に対する批判
3 日本映画人気の背景
第8章 「記憶の場」のエージェント――「アイヌ研究住職」と人文神オキクルミの〈昭和史〉 木名瀬高嗣
1 トリックスター・林舜祥
2 〈オキクルミ=義経〉説と「ハヨピラ」
3 義経神社・平村ペンリウク・「頌徳碑」
4 法華のトゥスクル
5 「蝦夷始祖オキクルミカムイ」像
6 白亜の「ピラミッド」
あとがき 坂野 徹
品切れ・重版未定
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