エドワード・ペイソン・エヴァンズ(著) / 遠藤 徹(訳)
四六判 188ページ 上製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-2008-0 C0022
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 1995年12月 書店発売日 1995年12月01日 登録日 2010年02月18日
子どもを食い殺して死刑になったブタ、破門宣告を受けたバッタ、悪魔の化身とされたサル、弁護人の力量で無罪を勝ちとったネズミ……。中世キリスト教社会でおごそかにとりおこなわれた「動物裁判」が生んだ悲喜劇の実態と論理を描出する。
序文 フォン・アミラ ダドシオ 悪魔のしわざか、神の鞭か 悪魔が憑いた家 魔に魅入られた牝牛 正しい処刑がなされないと不浄を生む 動物の人間化 動物への刑罰は悪魔への刑罰 教会の頑迷 現代の法学の問題点 豚の処刑を描いた壁画1 ネズミたちの弁護人 ワルド派裁判 シャスネの業績 昆虫を裁く根拠 博引旁証 イチジクの木にアナテマを施す 伝説を証拠として使う 教会のもつ呪術的な力 この動物は聖職者か? 懲罰か予防か2 昆虫の亡命地 昆虫への警告 コクゾウムシ裁判 神の鞭 メネブレアの意見 残酷な司法感覚 再審議 昆虫の権利 昆虫は人間に従属する 昆虫のための亡命地 かじり取られた審議結果 裁判費用 昆虫の権利とアナテマの威力 法の外にいる昆虫 神の遣いとしての昆虫3 悪魔憑きの動物 天使博士 悪魔の受肉 甘き薫りの動物と、悪臭ふんぷんたる動物 アヴェスタ 不完全な自然 悪魔の化身 聖水づくりの呪文 動物は、機会仕掛けか、悪魔憑きか 未決囚としての悪魔 動物に宿る悪魔 悪魔が病気を引き起こす ローマ・カトリックの悪魔祓い 信仰治療 あぶれた悪魔の行き先 動物虐待は悪魔への攻撃 悪魔を呑み込む 輪廻転生する悪魔たち 中世的精神のパロディ 悪魔菌4 アナテマの力 モニトリーの威力 裁判過程 検事の訴訟申し立て 昆虫側代理人の第二抗弁 検事の第二訴答 アナテマは慎重に 判決文 動物を正当に訴追できるという中世的思考 スペインハエ モグラ インガー アナテマを伴う判決 アナテマの方式 毛虫裁判 白アリ裁判 ウシアブ裁判 プロテスタントの場合:牧師から呪術師へ 呪術の哲学:パラケルスス、ベーメ、ショーペンハウエル 合理的なプロテスタント 色褪せた悪魔祓い:拝啓ネズミ様 水という障壁 アイルランド フランス 護符 ネズミを追放する呪文 古代の倫理:よそへ行け!5 四足獣の裁判 連綿とつづく動物裁判 火刑や生き埋め 拷問をおこなう理由 報復原理 消えた壁画 処刑費用 人間と豚はおなじ扱い 豚たちの受難 豚は裸で 残酷な死刑執行人 獣姦への刑罰 無罪となった雌ロバ 減刑は人獣平等に ユダヤ法が基本 ユダヤ人は獣である 没収された子豚たち 所有者には責任はない 豚の犯罪 放し飼いだった豚 そのほかの四足獣:牝牛 卵を産む雄鶏 コカトリスの卵 経済的理由による減刑 悪魔の豚 ラシーヌのパロディ 目には目を 処刑した動物の肉は食べるな 牛と狂人6 無生物への刑罰 剣や銅像への刑罰 無生物への刑罰 偶像 鐘 狂犬病 アヒルと犬 反逆罪 みな殺しの法律 人類みな罪人? 報復原理 境界石 内に潜む暴力性 陪審制廃止論 ディーアダン 同毒療法 人を殺した船 ディーアダンの意味 自殺はフェロニー 贖罪行為としてのディーアダン解題──遠藤徹
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