クリティーク叢書 13
高橋 順一(著)
四六判 512ページ 上製
定価 5000円+税
ISBN978-4-7872-1026-5 C1310
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 1996年12月 書店発売日 1996年12月01日 登録日 2010年02月18日
19世紀近代の根源史としての意味をもつヴァーグナーの「綜合芸術」作品。その弁証法的世界を読み解きながら、魔術的「陶酔」の彼方にある批判的・反省的な「覚醒」の可能性を提示する──ヴァーグナーから読み解く近代の文脈。
I 序にかえてII ヴァーグナーの問題状況──神話・近代・革命 1 ヴァーグナーの神話作用 2 「革命」の概念をめぐって 3 神話・近代・革命の絡み合いIII ヴァーグナーの「綜合芸術作品」の構想はじめに第1章 「革命」から綜合芸術作品への途上 1 パリのヴァーグナーと「革命」への志向 2 「ヴィーベルンゲン。伝説に発した世界史」をめぐって (1)伝説に発した世界史 (2)史劇から神話へ 3 「芸術と革命」について (1)芸術史の構想 (2)近代批判の構図第2章 綜合芸術作品の理念と現実 1 『未来の芸術作品』と『オペラとドラマ』について (1)ヘーゲルからヘーゲル左派ヘ──フォイエルバッハの位相 A ヘーゲル批判の開始 B ヘーゲル哲学の可能性の射程 C ヘーゲル批判の二つの方向 D フォイエルバッハの思想 E フォイエルバッハと時代状況 (2)『未来の芸術作品』について A 「人間と芸術一般」 B 「芸術的人間とそこから直接的に派生する芸術」 C 「未来の芸術としての綜合芸術」 D 「未来の芸術作品の根本的特徴」 E 「未来の芸術家」 F ヴァーグナーの近代性 (3)『オペラとドラマ』について A 音=言語をめぐって B 音楽と言葉 C 絶対音楽批判の意味 D 綜合芸術作品の理念をめぐる歴史的文脈 2 『ニーベルングの指環』の作品分析 (1)ドラマの成立史およびドラマの概要 (2)基本的モティーフについて──アイスキュロス『縛られたプロメテウス』から (3)ドラマトゥルギーの構造 A ドラマ上の凝集点と叙事的要素 B 自己の自己にたいする対立 (4)黄金の位置──ヴァーグナーの近代認識の要諦 A 黄金はすでに汚染されていた B アルベリヒの呪い C 『指環』の隠れた主人公としてのローゲ (5)『指環』における音楽の構造──いくつかの場面を例にとって A 『ラインの黄金』序奏から第一場にかけての場面 B 『ヴァルキューレ』第二幕第二場のヴォータンとブリュンヒルデの場面 C 『ジークフリート』第三幕第三場の場面 D 『神々の黄昏』第三幕「ジークフリートの葬送行進曲」の音楽 おわりにIV ヴァーグナー問題の構図 1 「ニーチェ対ヴァーグナー」問題をめぐって (1)傾倒から批判への岐路 (2)ロマン主義との訣別──ルサンチマンの彼岸ヘ (3)ニーチェのヴァーグナー批判の要諦 (4)「もう一人のヴァーグナー」としてのニーチェ 2 アドルノのヴァーグナー認識とヴァーグナー以降の音楽的思考 (1)はじめに──ボードレールの「モデルニテ」概念 A モデルニテ B ボードレールのヴァーグナー像 C 「過去」と「今」の弁証法 (2)アドルノのヴァーグナー認識について A 微視的(ミクロローギッシュ)な視点 B 美的仮象について C ファンタスマゴリーと神話 (3)ヴァーグナー以降の音楽的思考 A ポスト・「ラップレゼンタティーヴォ様式」 B 器楽音楽の復権 C 国民─民族主義的音楽 D おわりにあとがき
品切れ・重版未定
送料無料162-0801 東京都新宿区山吹町337
電話:03-3268-0381
ファクス:03-3268-0382
●会社案内 ●購入案内 ●プライバシーポリシー ●特定商取引法に基づく表示
●特約店一覧
●リンク
掲載している文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。それ以外のものと青弓社社員によるものの著作権は株式会社青弓社にあります。