鎌田 東二(著)
四六判 424ページ 上製
定価 2800円+税
ISBN978-4-7872-1002-9 C0014
品切れ・重版未定
登録日 2010年02月18日
宗教学・民俗学・歴史学・国文学など諸学の交差する地平に独自の精神世界を築き上げた神道学者の記念碑的第一評論集。出口王仁三郎、空海、平田篤胤、折口信夫、シュタイナーなど異色の精神史を照射し、「霊学」の新展開を告げる。
ふとまにかがみ1 ふたつの霊界モノガタリ (1)神話的創造力と魂の変容 出口王仁三郎と折口信夫をめぐって 二つの電極、一つの電流/二つの霊魂学/霊主体従原理とタマ・カヒ原理──鎮魂の技法/トリックスター即レトリックスタ──?スサノヲ的エロス/恋=声なる言葉──言霊のちから2 意識と声音 (1)語呂合わせの修辞学 宗教的レトリックの一局面 記号都市の語号操作──現代CMの駄酒落手法/語呂合わせの二つのヴェクトル──笑いと呪術/ヒューモアとしての語呂合わせ/マジックとしての語呂合わせ/語呂合わせの宗教的ディスクール──新宗教の場合/語呂合わせのセマンティクス (2)音霊の愉楽 エロスの現場としての声音の力学 空海の声音──エロスの現場としての声/レトリックがトリックとなる場面──メディアと感覚の変容/宇宙の音力──火水の言霊/音霊の愉楽──感覚というユートピア? (3)魂を飛ばす技法 シャーマニズムと音楽体験 天狗界の音楽──仙童寛吉のシャーマニック・パフォーマンス/神界のフィールドワーク──幽けき音楽/シャーマニック・サウンド──その和魂と荒魂/魂を飛ばすシャーマンたちの漂泊3 魔界の声音 (1)妖怪 その神学と自然学と人間学と 神学と自然学と人間学の境界としての妖怪諭/異形の原像としてのスサノヲ/妖怪変化の壊しさ──霊郷の香り/金神の声──封印された神々の蘇生/妖怪の声音とトポス──その異様さと微妙さ (2)幼児性の悪意と声の自然 ラヴクラフトの偏位 夢の記憶、あるいは異形者の痕跡/夢見の体験とその解釈──魂の分裂と再統合/声のオカルト──光と闇の言霊力/幼児性の悪意と無垢、あるいは自然の記憶4 霊学と民俗学の生成 (1)霊学と霊術 近代におけるその発端と展開 霊学の発端──神道神秘主義の隆盛/霊学の思想と運動──「術」の復権と霊的認識/近代西洋霊学の形成──スピリチュアル・ムーヴメントの興隆/結合の思想としてのロマン主義──創造的シンクレティズムの時代/近代日本における霊学と霊術の親和と対抗 (2)大正維新と霊的シンクレティズム 神智学受容の一波紋 浅野和三邸と出口ナオとの出会い/大本教の発生とその錬金術的変成/近代日本霊学と民俗学の展開──平田学三派/太古の「龍」の復活と弾圧/神智学をめぐる浅野和三郎と田中守平/霊的シンクレティズムとモノガタリの時代「チ」のジレンマ新版あとがき
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