山本 雄二(著)
四六判 204ページ 並製
定価 2000円+税
ISBN978-4-7872-3410-0 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月 2016年12月 書店発売日 2016年12月08日 登録日 2016年10月21日
「朝日新聞」
朝刊 評者:武田徹(評論家、ジャーナリスト) |
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「読売新聞」
朝刊 評者:宮部みゆき(作家) |
ブルセラブームを契機に批判を受け、1990年代以降に学校現場から姿を消したブルマーは、なぜ60年代に一気に広がり、30年間も定着・継続したのか。資料探索や学校体育団体・企業への聞き取り調査から、普及のプロセスと戦後日本の女性観の変容を明らかにする。
女子体操着であるブルマーは、ブルセラブームを契機に批判を受け、1990年代半ば以降に学校現場から急速に姿を消した。消滅の社会的背景はこれまでも断片的には語られてきたが、では、腰に密着して身体の線があらわになる服装が、なぜ60年代に一気に広がり、その後30年間も定着・継続したのだろうか。
地道な資料探索や学校体育団体、企業への聞き取り調査を通して浮かび上がってきたのは、中学校体育連盟の存在だった。そこから、中体連の資金難、企業との提携などのブルマー普及の背景を解き明かす。また、受容の文化的素地として、東京オリンピックの女子体操が与えたインパクト、戦前から続くスカートの下の2枚ばきの伝統などとの関連も検証する。
ブルマーは導入当初から性的なまなざしにさらされてきた。にもかかわらず、学校現場でブルマーが存続してきたのは、ブルマーをはく女子の身体に女子修身教育の幻を見る戦前回帰派と、美と健康を見る戦後民主主義派とが思わぬかたちで共謀していたためではないかと指摘する問題提起の一書。
はじめに
第1章 ブルマーの謎と来歴
1 ブルマーの謎
2 ブルマーの日本への導入と変容
第2章 密着型ブルマーの普及と風説
1 密着型ブルマーの普及速度
2 普及と消滅に関する諸説とその検討
第3章 中体連とブルマー
1 暗中模索
2 推薦と協力金
3 中学校体育連盟
第4章 全国中体連の設立と変貌
1 都道府県中体連の設立
2 文部省のやり方
3 スポーツ大日本派
4 敗戦後の期待と落胆
5 全国中体連の誕生
6 オリンピックの東京開催決定
7 すべてはオリンピックのために
8 東京大会の屈辱
第5章 密着型ブルマーの普及過程
1 奇策
2 営業努力と信頼関係
第6章 密着型ブルマー受容の文化的素地
1 女子身体観の変容
2 スカートの下のブルマー
第7章 密着型ブルマーの消滅過程
1 性的シンボルとしてのブルマー
2 セクハラ概念の浸透
3 代替物の発見
第8章 ブルマーの時代
1 三十年間への疑問
2 シンガポール日本人学校のブルマー強制問題再考
3 純潔教育の心情
4 「女子学生亡国論」の心情
5 道徳としてのブルマー
参考文献一覧
あとがき
在庫あり
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