A5判 452ページ 並製
定価 4000円+税
ISBN978-4-7872-2036-3 C0021
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2009年09月 書店発売日 2009年09月16日 登録日 2010年02月18日
「朝日新聞」
評者:清水諭(筑波大学教授・スポーツ社会学) |
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「読売新聞」
評者:黒岩比佐子(ノンフィクション作家) |
1940年に開催が予定されていたにもかかわらず、38年に返上された東京オリンピック。「暗い時代」の出来事として本格的に論じられてこなかった「幻の東京オリンピック」の実態を、中止にいたる国際政治の力学や戦時下のスポーツ界の動向などから照らし出す。
はじめに 坂上康博/高岡裕之
第1部 オリンピックの政治的中立性!?
第1章 IOC会長バイエ=ラトゥールから見た東京オリンピック 中村哲夫
1 招致過程
2 準備過程
3 返上過程
第2章 イギリス協調外交と東京オリンピック――「自然死」を待つ帝国 青沼裕之
1 一九三六年ベルリン大会当時の言動
2 一九四〇年大会のロンドン招致とその撤回
3 東京オリンピックをめぐる論争とイギリス外務省
第2部 東京オリンピックの衝撃
第3章 東京オリンピックのインパクト――スポーツ空間と都市空間の変容 石坂友司
1 オリンピックの招致と大日本体育協会
2 競技場選定問題と都市開発
3 オリンピック返上とスポーツ空間
4 オリンピックが作り出した都市空間
5 オリンピックによる国家的動員・組織化
第4章 二つの東京オリンピック――広告グラフィズムの変容とプロパガンダ 竹内幸絵
1 オリンピック招致をめぐる宣伝戦――雑誌「NIPPON」第七号とオリンピック招致用パンフレット
2 幻の東京オリンピックのグラフィズム
3 進まぬ商業広告への写真利用――高コストという壁
4 東京オリンピック返上と「写真週報」の創刊
第5章 アジアのオリンピック・東亜競技大会――紀元二千六百年の祭典 小澤考人
1 東亜競技大会とはどのような出来事か――紀元二千六百年=一九四〇年六月の情景
2 東亜競技大会はなぜ開催されたのか――出来事の出現に関与する力学
3 紀元二千六百年の到来と東亜競技大会の構想――「体力向上」の祭典
4 アジアの国際スポーツ競技会――「前史」としての極東選手権競技会
第3部 総力戦とスポーツ界/武道界、都市
第6章 大日本体育会の成立――総力戦体制とスポーツ界 高岡裕之
1 日中戦争下のスポーツ界
2 「新体制」期のスポーツ界
第7章 武道界の戦時体制化――武道綜合団体「大日本武徳会」の成立 坂上康博
1 武道発展の「法則」――満州事変後の武道
2 武道国策の樹立――日中戦争のインパクト
3 新武徳会の設立――アジア・太平洋戦争の開戦とともに
第8章 標的としての都市――厚生省による運動施設拡充政策の展開 坂上康博
1 運動施設拡充計画の登場
2 計画の実施――一九三九―四三年
3 綜合運動場の建設ラッシュとその背景
4 数値目標の上方修正と運動場の増設
5 戦時下における運動場の複合的な意義
第9章 都市の思惑――名古屋市瑞穂運動場の誕生 髙尾将幸
1 戦前期の公園事業
2 「百万都市名古屋」を目指して――名古屋市の公園事業の展開
3 都市の思惑――地方都市から見た「幻の東京オリンピック」
4 厚生省の誕生と体力向上政策
第4部 統制と奨励の諸相
第10章 学生野球の国家統制と自治――戦時下の飛田穂洲 中村哲也/功刀俊雄
1 野球統制令の制定と学生野球の自治の展開
2 日中戦争下における学生野球の批判・統制と学生野球界の対応
3 太平洋戦争下の学生野球の「官営」化と自治・擁護の主張
第11章 関西メディアと野球――戦時下の甲子園大会を中心に 西原茂樹
1 プロ野球と新聞社、私鉄――関西文化としての野球
2 日中戦争下の甲子園大会
3 娯楽性の維持――「大阪朝日」「大阪毎日」の甲子園大会報道から
第12章 量産される集団体操――国民精神総動員と集団体操の国家的イベント化 佐々木浩雄
1 日本体操大会の誕生――集団体操のイベント化
2 戦時下における集団体操の量産
3 紀元二千六百年の集団体操
あとがき 坂上康博
品切れ・重版未定
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